表紙写真の説明


(A)海草アマモの葉先が水面に浮かんでいる様子を水中から撮影した。アマモは北半球温帯域に分布しており、日本沿岸では北海道から九州にかけて生息がみられる。海の中に維管束植物が群落を作っている海草藻場の様子は、しばしば「海の草原」と例えられる。アマモ(甘藻)の別名、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(竜宮の乙姫の元結の切りはずし)は、最も長い植物名としてとして知られている。
(B)宮城県志津川湾に生息しているスガモ。赤く見える葉は、微小生物が付着しているためで、同じ株の中でも先に成長した葉ほど付着物が多い。スガモは、日本沿岸と朝鮮半島のみに生息分布が確認されている。アマモが砂底や砂泥場に生息しているのに対し、スガモは岩礁付近に生息している。アマモはアマモ科アマモ属に、スガモはアマモ科スガモ属に分類される。
(A) (B)
(海区水産業研究部資源培養研究室 加藤由実子)