【研究調整】

連携・協力の促進と広報活動の強化について

企画連絡室長 武内 智行


 今年度は,以前にも増して,ブロック内の研究活動の活性化を図るため,また,当所の業務と成果をより広い範囲の方々に理解していただくため,連携・協力の促進と広報活動の強化に努めています。その概要を以下に報告します。

1.連携・協力の促進
@研究協力協定等の締結
 研究開発に係る相互協力が地域水産業の振興に重要な役割を果たすことを念頭に,互いの施設利用や試料提供・解析などをよりスムーズに実施するため,宮城県水産研究開発センター及び気仙沼水産試験場と研究協力協定を,また,岩手県水産技術センターと包括的共同研究契約を締結しました。その後,青森県水産総合研究センター増養殖研究所との共同研究契約も締結しました。さらに,普及・啓蒙活動促進のため,マリンピア松島水族館および八戸市水産科学館と業務協力協定を締結しました。この他,いくつかの大学(東京大学海洋研究所,東京海洋大学,北里大学)や研究機関と共同研究契約を締結しています。
 このうち,宮城県水産研究開発センター及び気仙沼水産試験場との研究協力協定では,両者の研究開発業務に関して以下の事項を実施するものとしています:@相互の研究施設,設備等を使って行う研究,A技術相談に係る相互支援,Bその他相互協力を推進するに当たり必要となる事項。また,本協定に基づいて,当該年度に相互協力しようとする研究の課題名,実施内容等を年度当初に協議・確認するものとしています。平成16年度の相互協力は,二枚貝養殖場における微小動物プランクトンに関する研究,貝毒モニタリングと毒化・減毒機構に関する研究,などの漁場環境分野の課題,並びに,エゾアワビの初期生残と減耗要因に関する研究,藻場分布把握や藻場づくりに関する研究,などの磯根資源開発分野の課題を中心に実施しています。
 マリンピア松島水族館では当所と共同で「深海魚展」を実施中です。八戸市水産科学館には,当所八戸支所の研究紹介パネルを展示しています。
A産学官連携シンポジウム等への出展
 アグリビジネス創出産学官連携シンポジウム(11月1日)に出展し,当所の業務概要と主な成果を紹介しました。また,みやぎ産学官研究成果発表会(12月8日)では,「下痢性貝毒の一斉分析法の開発」と「中層トロール工船システムモデルの開発」についてパネル展示し,説明しました。

2.広報活動の強化
@わかりやすい要覧
 従来の要覧は専門的な内容が多く,一般の方々にはなじみにくかったため,当所の沿革や業務概要をコンパクトにまとめた要覧を作成しました。
A「研究のあらまし」
 研究成果をわかりやすく示したチラシと当所の業務概要を1冊にまとめ,ブロック内を重点に,関係研究機関,行政機関,漁業協同組合,学校等に配布しました。また,所内にパネル展示をするなど,見学者への説明にも活用しています。さらに,ホームページへの掲載もしています。なお,12月9日付の水産経済新聞に紹介記事が掲載されました。
B一般公開の開催方法の工夫
 今年は,地元の水産加工団地との連携を模索し,蒲鉾組合青年部に特別参加「笹かまづくり体験」をして頂きました。また,ポスターやチラシの配布範囲を拡大しました。地元のFM放送の取材を受け,事前の行事案内放送をしていただきました。
Cニュースの配布先と体裁の見直し
 今までは全国的に「広く薄く」配布していましたが,ブロック内の関係機関や団体などに重点配布するようにしました。また,ニュースの体裁を一部変更しました。