諸会議の報告


 
平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議
開催月日・場所:平成14年12月12−13日,ホテルグランドパレス(塩竃市)
参加機関:東北ブロック各県水産関係試験研究機関(青森水試等15機関),(社)日栽協宮古事業場,さけ・ます資源管理センター,水産庁増殖推進部,水研センター(本部,東北水研),19機関34名
 会議責任者である東北区水産研究所長から,会議の趣旨,ブロック推進会議で検討すべき事項等に関して説明があった。また,東北ブロックとしての研究推進方向を明らかにし,部会・分科会・研究会等の現場の研究者の協議の活性化を図りつつ,責務を達成するよう努力する旨挨拶があった。水産庁増殖推進部研究指導課長から,水産庁の取り組みの現状について報告があり,東北ブロック推進会議がブロックの水産関係機関の連携と水産行政施策の推進に果たす役割について期待が表明された。

【議事概要】
1.「水産研究・技術開発戦略」の達成状況の把握に関して
 各県及び水研が実施している主な研究課題の進捗状況と次年度計画に関する報告の後,「戦略」達成状況把握に向けた研究課題情報の整理の方針と作業への今後の取り組み方等に関して意見交換を行った。主な論議と申し合わせ事項は下記の通り。

(1)研究課題情報の整理の方針について
 「水産研究・技術開発戦略」達成状況を各機関が実施している研究課題の進捗状況から把握するため,具体的な作業の進め方について意見交換を行い,以下の整理を行った。@研究課題の「戦略」の項目への張り付けや項目ごとの整理には分野ごとの専門性が必要であり,部会で実施する。A部会には,ある程度の判断が可能な者の参加が望ましい。B部会で整理しきれない問題点等については,整理して推進会議で協議する。C「戦略」達成状況の最終報告の作成に向けて項目別実施状況の整理を毎年度継続して実施する。

(2)最終取りまとめの方針について
 「戦略」達成状況の全体取りまとめは,東北水研で作成中の「混合域研究戦略」をベースにすること,「混合域研究戦略」の記述内容及び全体とりまとめについては,ブロック各機関の意見を十分に伺うこと等を申し合わせた。

(3)漁業資源部会の開催方法について
 現在,漁業資源部会は9月中旬に開催しているが,「戦略」の検討が実施できないことから開催時期を11月に変更することとし,開催方法については,他の部会と併せて開催する等,水試等の部長クラスが参加しやすい方法を検討することになった。

2.研究課題の重点化及びその内容に関すること
 昨年度の推進会議において推進会議のもとに設置された二つの研究会「ヒラメ資源研究会(H14−17)」及び「海況情報研究会(H14−17)」の14年度活動内容と15年度計画の検討を行った。

(1)ヒラメ資源研究会について
 14年度は,「漁場生産力変動評価・予測調査」担当者を中心に,調査結果の整理,東北ブロックにおける研究ニーズの調査を行い,「卓越年級群出現年の環境面での特徴」をテーマとしたミニシンポの企画を検討した。15年度は,@5月頃ミニシンポを開催し研究ニーズの分析と調査情報を整理,A沿岸環境データベースを完成させ,資源変動と環境との関係を解析,Bブロックでの情報交換体制を整備,等を行う。

(2)海況情報研究会について
 11月26日に研究会を開催し,全国的な問題となっている「海洋定線観測問題」について重点的に検討を行った。アンケート調査結果に基づいて,@東北ブロックにおける海洋観測調査と成果の利活用の現状,A定線調査により得られた研究成果,B新たな事業展開のためのアイデア,等について意見交換を行った。各県からは,@定線観測によるモニタリングと海況予測は,水試等の最も基本的な仕事であり,県費を使っても継続すべきことと考えている,Aしかし,財政当局の理解を得るためには重要性を明確にアピールできる定線観測の位置づけがいる。B当面補助金に頼らざるを得ない状況であり研究会での事業のアイデアの検討を期待,等の意見があった。水研からは,@秋サケの問題や最近の底魚資源の動向の理解には生態系データの蓄積が必須であり,定線観測は不可欠,A定線観測の重要性をアピールするため目に見える成果を出すよう努力してゆく,B水産海洋学会等の活動を通して定線観測の問題を幅広く検討してゆく,等の意見・説明があった。

3.研究ニーズに関すること
 東北ブロックで強い研究要請のあるワカメ等大型藻類,SRSV等について,東北水研の平成14年度の対応を説明し,今後の対応について意見交換を行った。

(1)ワカメ等大型海藻養殖技術について
 平成14年度水試等連絡協議会で16年度向け要望事項として提案されていたことから,同会議において病虫害への対応や優良品種作出における技術的問題を整理して報告するとともに海区水産業研究部会増養殖分科会でも「大型褐藻類を用いたDNA研究の現状と課題」を報告した。現在海藻研究者が全国的に極めて手薄であるが,現有の海藻研究者をバックアップしながら今後も積極的に情報交換等に対応する。

(2)SRSVに関する情報交換
 平成14年7月25日に国内の主要カキ生産県の水産・保健衛生機関,国立感染症研究所,水産庁等の研究・行政担当者の参加を得て,カキ浄化対策に関する情報交換会を開催した。発生状況,汚染実態,検出・浄化技術の現状等について科学的なレビューを行い,現状では定量的検出が技術的に困難な状況であり,浄化技術も決定的なものは開発されていないとの共通認識を得た(東北水研ニュース64号参照)。今後は,海区水産業研究部会で継続して情報交換を行い,必要に応じて全国的な情報交換会を開催する等の対応をとることとした。

(3)ヒラメ貧血症に関する情報交換
 水研センターが開催(事務局:日水研)した情報交換会の内容を報告し,情報交換会に参加しなかった県にも実態調査(鰓の色の検査)への協力を依頼した。

4.研究推進体制に関すること
(1)資源評価への対応について
 今年度の資源評価実践研修として耳石の解析による年齢査定を実施すること,H14年度から資源評価対象種として新たに加わったサメガレイ・ムシガレイ・キアンコウについては,調査方法・内容に関して今後も緊密に相談しながら効果的な調査を実施したい旨報告した。

(2)東北ブロック各県における評価と業務の効率化の動向
 東北ブロック各県において評価制度の導入や組織改編が実施あるいは計画されていることから,各県の現状報告を行った。多くの県で評価制度の導入が行われていること,独法化等の大幅な組織の見直しが計画されている県もあること等が分かった。水研からは独法化後の状況について報告した。

5.研究の成果に関すること
 東北水研から3課題,県から11課題の研究成果情報が提出され,研究内容,専門,対象,分類について一部修正とブラッシュアップを行い,全ての課題を東北ブロックの研究成果情報として本部に提出することとした。

平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議漁業資源部会
開催月日・場所:平成14年9月13日,ホテル松島大観荘(宮城県宮城郡松島町)
参加機関:青森水試,岩手水技セ,宮城水研セ,福島水試,茨城水試,東北水研,6機関14名

【議事概要】
1.研究課題の進捗状況について
@東北水研から資源分野の平成14年度研究課題について説明を行った。「サンマ等小型浮魚資源」及び「タラ類等底魚資源」に関する課題(交付金による一般研究課題),「底魚類の成長・繁殖特性」に関する課題(技会プロジェクト研究)の研究内容・計画を説明した。また,平成13年度で終了した課題の成果の概要について報告した。
A各県水試等から重点課題について報告があった。青森県からアカイカおよびヤリイカ資源に関する課題,岩手県から秋サケ回帰資源,地域性漁業資源の管理技術,底魚類資源の管理に関する課題,宮城県から複合的資源管理型漁業に関する課題,福島県から底魚資源のモニタリング,資源回復計画,海況変動特性に関する課題,茨城県から海況変動の解明,浮魚類の加入量評価,底魚類の資源評価調査に関する課題について,それぞれ説明があった。

2.資源評価調査の新規対象種の調査の進め方について
 東北水研から,資源評価調査の新規対象種(サメガレイ,ヤナギムシガレイ,キアンコウ)の調査の進め方について説明を行い,協議を行った。特に,4月以降に実施している魚市場調査の実施状況について意見交換を行ったが,各機関ともおおむね計画通りに調査を実施していることが報告された。また,資源評価を行うための利用可能な知見について紹介があった。

3.調査・研究の連携・協力について
 岩手県から,海洋観測や広域資源に係る長期的研究体制を確立するための各機関の役割分担などについて提案があった。特に調査船の代船建造に当たっては,中・長期的視点から調査研究の見通しが必要であり,水研と各県における連絡調整や合意形成が必要であることが指摘された。これらの問題に関しては今後も各機関の連携が必要であることで合意された。

漁業資源部会分科会
1.サンマ等小型浮魚類資源研究会
開催月日・場所:平成15年3月11−12日,八戸プラザホテル(八戸市)
参加機関:水産庁,長崎大学,東京水産大学,石巻専修大学,道・県水産関係試験研究機関(11機関),水研センター(東北水研ほか3研究所),漁業情報サービスセンター,全さんま,北海道庁,岩手県立宮古水産高校,千葉県立安房水産高校,22機関46名

【議事概要】
 平成14年における東北海区の海況およびサンマの漁況・資源・生物特性に関する総括,14年度の漁況・海況予報の検証,各機関における調査結果に関する報告とともに,サンマ,マイワシ,海況に関する12題の研究発表が行われた。また,長崎大学中田英昭教授から,水産海洋研究の最近の動向と題して特別講演が行われた。本会議の議事内容は,「第52回サンマ資源研究会議報告」にとりまとめられ,関係機関に配布される予定である。

2.東北ブロック底魚研究連絡会議
開催月日・場所:平成15年3月11−12日,八戸プラザホテル(八戸市)
参加機関:北大,東北大学,石巻専修大学,青森水試,岩手水技セ,宮城水研セ,福島水試,茨城水試,千葉水研セ,東北水研,遠洋水研,岩手県,宮城県,13機関30名

【議事概要】
 各機関からヤナギムシガレイ,ミギガレイ,アナゴ類,キチジ,マダラ等の底魚類に関する14題の話題提供が行われた。また,平成14年度のマダラ,スケトウダラおよびヒラメの新規加入量調査結果報告,平成15年度資源評価調査の調査計画に関する打ち合わせが行われた。本会議の議事内容は,「東北底魚研究23号」にとりまとめ,関係機関に配布される予定である。

平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議混合域海洋環境部会
開催月日・場所:平成14年11月26日,清温荘(岩手県盛岡市)
参加機関:青森水試,青森水増セ,岩手水技セ,宮城水研セ,福島水試,茨城水試,水産庁研究指導課,水研センター本部,東北水研,JAFIC(漁業情報サービスセンター),10機関21名

【議事概要】
1.最近の研究動向について
 海洋環境研究を取りまく情勢や新たな研究ニーズについて共通認識を形成するため,水産庁から内閣府に設置された総合科学技術会議の設置経緯,役割,活動内容及び経済活性化戦略の重点分野である「環境」及び「フロンティア」分野における研究開発の基本方向について,東北水研から混合域海洋環境部が重点的に取り組むプロジェクト研究の最近の研究成果と残された課題及び新規提案中のプロ研の目標と課題構成等について説明を行った。

2.「水産研究・技術開発戦略」の達成状況について
 各機関から研究課題の進捗状況と次年度計画の報告を行った後,海洋生態系及び国際貢献分野の6項目の達成状況のとりまとめについて検討を行った。課題分類の任意性,課題に現れない業務による貢献の取り込み方,単年度ごとに成果と今後の課題を整理することの難しさ等,とりまとめ作業実施上の問題点の指摘があった。意見を踏まえ,東北水研のとりまとめ案を修正したうえ,ブロック推進会議に提出することとした。

3.主要研究成果について
 東北ブロックから提案する研究成果情報のうち,海洋環境分野の課題「海況データを用いた水塊変動の解析(福島水試)」及び「サンマの成長を餌プランクトン段階からモデル化(東北水研)」について報告を受け,ブラッシュアップに向けた質疑応答を行った。意見に基づいて必要な修正を行い,両課題を海洋環境部会で合意された研究成果情報としてブロック推進会議に提案することとした。また,東北ブロックは他に比べて連携が強く良い成果が出ているので,もっと積極的にアピールするよう努力することとなった。

4.ヒラメ資源研究会の進捗状況について
 研究会の運営は,水産庁委託事業「漁場生産力変動評価・予測調査(ヒラメ)」を担当する東北水研の研究チームが当たっていること,ヒラメ資源変動と環境変動との関係についての研究動向と連携の方向を探るためミニシンポジウムを平成15年3月か5月頃に計画していること等の報告を行った。
 本会議の議事内容は,「平成14年度東北ブロック水産海洋連絡会報第33号」にとりまとめられ,関係機関に配布された。

平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議海区水産業部会
開催月日・場所:平成14年11月18日,東北区水産研究所会議室
参加機関:青森水増セ,岩手水技セ,宮城水研セ,宮城気仙沼水試,宮城栽培セ,福島水試,福島種苗研,茨城水試,日栽協宮古事業場,東北水研,10機関30名

【議事概要】
1.報告・連絡
 韓国産マガキの混入問題に関する東北水研の対応及びSRSV対策会議(H14.7.25)の概要(東北水研ニュース64号参照)等について報告を行った。また,ヒラメ貧血症問題に関する日水研での情報交換会(H14.11.30)に向けて,鰓の色調査による感染実態調査への参加を依頼した。

2.ブロックにおける連携,情報交換
 ブロック内の研究・技術に関する各種情報の交換を行った。「共同研究の実施状況」に関して,特に岩手県水産技術センター,宮城県水産研究開発センター及び日栽協宮古事業場の大学,他県および水研との連携が目立った。「ブロック内で連携の必要のある課題」について意見交換を行ったが,充分な検討時間がなく,これらの問題を検討する場を別途設定する必要性を感じた。「水産関連の出来事」では,マダイ,イセエビの豊漁やクラゲ,マダコの大量発生が注目された。
 本会議の議事内容は,「平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議海区水産業部会・分科会報告」にとりまとめられ,関係機関に配布された。

海区水産業部会分科会
1.貝毒研究分科会(漁場環境保全関係試験研究推進会議赤潮・貝毒部会東日本ブロック)
開催月日・場所:平成14年11月12−13日,東北区水産研究所会議室
参加機関:北海道,青森県,岩手県,宮城県,福島県,秋田県,東北大学,日本冷凍食品検査協会,日本水産資源保護協会,水産庁漁場資源課,東北水研,19機関28名

【議事概要】
 混合域海洋環境部から提供のあった海況情報をふまえ,平成14年度の赤潮・貝毒発生状況と環境条件等について情報提供と意見交換を行った。漁場環境保全推進会議で提案された赤潮・貝毒部会の運営体制について論議したが,一本化せず従来通り東西の2ブロックで開催すべきとの意見が大勢を占めた。
 本会議の議事内容は,「平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議海区水産業部会・分科会報告」にとりまとめられ,関係機関に配布された。

2.増養殖分科会
開催月日・場所:平成14年11月18−19日,東北区水産研究所会議室
参加機関:青森水増セ,岩手水技セ,宮城水研セ,宮城気仙沼水試,宮城栽培セ,福島水試,福島種苗研,茨城水試,日栽協宮古事業場,東北水研,10機関30名

【議事概要】
「DNA解析等の先端技術の沿岸資源・増養殖研究への応用」を統一テーマとして4題の発表を行った。東北水研は,ブロックから強い要望のあった「大型褐藻類を用いたDNA研究の現状と課題」他2件の報告を行った。また,5件の自由課題発表(「天然ハマグリ稚貝の移動・分散(茨城水試)」,「キタムラサキウニの品質と漁場環境要因(宮城気水試)」,「ヒラメ稚魚へのネオヘテロボツリウム症感染過程(日栽協宮古)」,「キタムラサキウニ資源の動向(岩手水技セ)」,「回帰マダラ親魚の移動・回遊(青森水増セ)」)を行った。
 本会議の議事内容は,「平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議海区水産業部会・分科会報告」にとりまとめられ,関係機関に配布された。

平成14年度東北ブロック水産業関係試験研究推進会議「海況情報研究会」
開催月日・場所:平成14年11月26日,清温荘(岩手県盛岡市)
参加機関:青森水試,青森水増セ,岩手水技セ,宮城水研セ,福島水試,茨城水試,水産庁研究指導課,水研センター本部,東北水研,JAFIC(漁業情報サービスセンター),10機関21名

【議事概要】
 「漁海況予報」関係補助事業予算が継続的に削減され,定線観測の継続が困難な状況にあり,「全国場長会」でも取り組みが強化されている状況をふまえ,「定線観測問題」に絞って検討を行った。@定線観測調査実施状況の現状把握,A定線調査結果を用いた調査研究成果の点検と今後の取り組み,B新たな事業展開に向けたアイデア等について独自に実施したアンケート調査結果に基づいて意見交換を行い,意見集約を行った。
 また,現在各県機関と水研が連携して実施している「漁海況予報」,「地域レベル漁海況」,「変動パターン」事業等の平成14年度における取り組みの状況と問題点を整理し,平成15年度に向けた取り組み方針について検討を行った。
 本会議の議事内容は,「平成14年度東北ブロック水産海洋連絡会報第33号」にとりまとめられ,関係機関に配布された。

東北区水産研究所平成14年度研究所機関評価会議
開催月日・場所:平成15年3月24日,東北区水産研究所会議室
出席者: 
 外部委員;大森迪夫(東北大学教授),小畑一臣(宮城県水産研究開発センター所長),武井 篤(岩手県農林水産部水産振興課長),熊谷拓治(八戸漁業協同組合連合会代表理事会長),渡邊 宏(宮城県漁業協同組合連合会専務理事)
東北区水産研究所;稲田伊史(所長),奥田邦明(企画連絡室長),平井光行(混合域海洋環境部長),佐古 浩(海区水産業研究部長),北川大二(八戸支所長),鮎川哲朗(総務課長)
 事務局;手島和之(企画連絡科長),春日井信治(総務課長補佐),高橋輝樹(情報係長)

 独立行政法人水産総合研究センターの評価の一環として,東北区水産研究所研究所機関評価会議を開催した。水産総合研究センターが策定した中期計画の14年度年度計画のうち,東北水研関係項目について実施内容及び自己評価結果を取りまとめ,外部委員に東北水研の業務運営内容の説明を行い,評価を受けた。
 外部委員の主なコメント,意見は以下の通り;
@13年度指摘事項について,東北水研で対応可能なものについては,限られた人員・予算の中で良く対応しており,高く評価できる。アカイカ,SRSV等地域の重要な問題への迅速な対応等,産業研究所として柔軟に改善し,その努力は評価される。
A東北ブロックには多くの試験研究機関があり,水産業においても学際的な研究が必要とされている中で,地域の水産業の重要課題について,水研センターが中核となって問題解決の連絡・調整を図り,プロジェクト等を積極的に企画・推進することが必要。
BワカメのDNA研究は,優良種苗の開発,トレーサビリティーシステムの開発等の基盤研究であり,今後の発展を期待。
C本州太平洋しろさけの放流直後の三陸沖における海況・プランクトンと回帰率の低下の関係の解明について,東北水研の関係機関と連携した取り組みを期待。
D地方自治体調査研究機関の独法化の法制度の検討がなされているが,水研センターには独法化のメリットを最大限生かすような組織運営を図り,地方自治体水産関係試験研究機関独法化に際しての「良いお手本」を期待する。
 東北水研研究所機関評価会議の議事概要,外部委員の主な意見と対応方針,評価結果の反映方法等については,東北水研ホームページ(http://www.myg.affrc.go.jp/index-j.html)に掲載されている。