表紙写真の説明

北川大二


 1995年3月に竣工した若鷹丸(692トン)は様々な最新の観測機器を搭載している。その中でも着底トロールは水深2000mまでの曳網が可能であり、東北海域の底魚資源調査で活躍している。使用しているトロールネットのコッドエンドには目合8mmのカバーネットが装着されており、通常のトロールネットでは漁獲されない小型の魚類も多数漁獲される。
 写真は東北沖のトロール調査で採集されたゲンゲ科ヘビゲンゲ属の一種で若鷹丸にちなんで「ワカタカヘビゲンゲ」の和名が与えられた(Shinohara et al. 1975)。本種は体長15cm程度の小型種で採集された時点では未記載種であると思われたが、1993年にロシアの研究者により発表されていたことが分かったため、惜しくも新種として発表することが出来なかった。
 底魚資源調査では、このほかにも未記載種と考えられる数種類の魚類が採取されており、これらは近いうちに新種として学会誌等に発表されるであろう。
(八戸支所 底魚資源研究室長)

Daiji Kitagawa

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