奥田邦明

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経歴:平成2年4月中央水産研究所 海洋生産部 変動機構研究室長
平成7年4月中央水産研究所 海洋環境研究官
出身:高知県

 5年間の中央水研変動機構研究室長,2年間の同所海洋環境研究官を経て7年振りに東北水研に戻ってまいりました。庁舎や庁舎の前に広がる加工団地のたたずまいは,昔のままですが,そこに働く人たちは7年前とは大きく違っています。かっては,研究所に続く道を歩くと,パートで働く近郊の主婦のにぎやかな声が道路にまで響いていたものですが,このところの厳しい経済情勢を反映してか,人影は少なく,また外国人と思われる白い作業服を着た若い女性によく出会います。
 研究所も大幅に人が替わっています。かつての東北水研には,一つのことに長く打ち込んでこられた名人肌の個性の強い,悪くいえば風変わりな研究者が多く,それが東北水研の一つの特徴となっていましたが,現在では完全に若返り,全く新しい研究所に変わってしまったという印象です。独身の若い研究者が多く,自由な雰囲気の中で,かつてとはひと味違った勤勉さ,熱心さで,研究業務に取り組んでいます。若い女性研究者も加わった華やいだ雰囲気の中で,一人事務処理のためパソコンに向かっていると,時の移り変わりと共に自分のおかれた立場を自ずと考えさせられます。
 当所海洋環境部の重要な研究業務は,今も昔も混合域と東北沿岸域を対象とした漁業生産に係わる海洋環境研究ですが,研究の内容は,かつて私が在籍していた頃とはかなり違っています。海洋研究の最近の急速な進展に伴って,海洋の調査・研究に携わる各機関では,それぞれの目標に沿った,特色のある海洋研究を打ち出す傾向が強まっておりますが,当部でも,沿岸域の漁場生産力の研究,資源変動機構に係わる生物生産研究,地球環境研究と,沿岸域の有効利用と資源管理に係わる研究問題に対象と目的を絞り込んだ研究が行われております。また,国際共同研究等の国際交流も活発に行われています。これらのいくつかは,本ニュースでも報告があります。
 しかし,これらの研究は,最近始まったばかりであり,今後,東北ブロック各県の方々や当所資源管理部,資源増殖部の方々からのご意見,ご批判をいただきながら軌道に乗せ,深めてゆく必要があると考えております。当部には,40代の室長と20代後半までの6名の研究者がバランスよく配属されておりますが,それぞれの研究者がそれぞれの立場で十分な力量を発揮してもらえること,また,若い研究者に,今後ますます高度化すると予想される海洋研究を担ってゆけるだけの力量をつけてもらうこと,を心がけながら研究環境の整備と適切な部の運営に努めてゆきたいと考えております。今後ともご指導,ご協力をお願い致します。
(海洋環境部長)

Kuniaki Okuda

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