終戦直後の安芸の國(広島)に3人兄弟の末子として生を受け,爾来両親の慈愛を一身に受けつつ平和都市にて成長,18のおり青雲の志をもって郷関をいでたものの未だ学ならず,ただいたずらに50の齡を重ねる身なれど,いまでは人生こんなもので良しとする諦観にも似た妥協をもって日々を過ごしている身です。
私的には好きな寺めぐりを通して三法印と称される「諸行無情・諸法無我・涅槃寂静」の意味を問いつつ,公的には海という大自然を相手に行われる水産研究に対し,如何によりよい調査環境が提供できるか常に考えていきたいと思っております。時には慈母のごとく穏やかに,時には夜叉のごとく荒々しく千変万化する海において「人類は自然の中に生かされている」事を自覚しつつ,1船の責任者として安全運航はもとより計画された調査の完遂に努める所存です。
幸いにも17名の良き仲間にも恵まれており,超ハイテク船と称される優秀な性能を誇る若鷹丸をもってすれば,必ずや国内はおろか世界に冠たる研究成果が達成されるものと確信しておりますので,今後とも他の新メンバー共々宜しくお願い致します。
Shuuji Doi