退官の挨拶

鈴木富子


 松の緑の中、白い庁舎に向かって、緊張のためコチコチになりながら門をくぐったのはつい先日のように思えます。それから40余年間、アッと言うまに終わってしまいました。私は古き良き時代を過ごしましたので、それなりの処遇も受け退職しましたが、気掛かりなのは庶務課の女性の処遇改善です。可能な一定の条件を付けた地場昇格が認められなければ、将来に夢も希望も持てないのです。この問題は、職員の皆様の御理解と御協力がなければ、女性だけが頑張っても解決は困難です。不遇な人達に希望を持たせてください、切にお願い致します。
 それから、快挙だったのは、今回退官された小達技官が、水産学博士を取得されたことです。私と出発点は同じでも、結果はこんなに違うのです。常に挑戦することを忘れない彼女の苦労と努力に心から「バンザイ」を叫びました。
 以前は「仕事は適当にやりなさい」が上司の口癖でした。したがってストレスはまったく有りませんでしたが、古いものを長い間、引きずって来ましたので、不勉強そのもので、若い人達に大変御迷惑をおかけしましたことを深くお詫び致します。
 近年は、ワープロ・パソコンの時代になり、事務処理も短時間で済み、資料も簡単にコピー出来ます。自分で字を書くことも少なくなりました。でも健康を損なうことのないように気を付けてください。時々は外の景色を見て目を休ませては如何でしょうか。
 最後に皆様方の一層の御活躍をお祈りいたします。大変お世話になりました、有り難うございました。

(元 庶務課会計係長)

Tomiko Suzuki

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