訃報

 当研究所わかたか丸一等機関士、村上勝行氏には昨年6月より身体の不調を訴えられ、八戸赤十字病院に入院し、8月中旬からは郷里の公立気仙沼総合病院で療養に努めておられましたが、奥様の手厚い看護も空しく去る10月3日正午過ぎ逝去されました。
 村上勝行氏は昭和27年11月水産庁に奉職され、漁業調査船白嶺丸に機関部員としてその任務に就かれて以後、昭和34年10月に白嶺丸操機手、昭和35年8月に照洋丸操機手、昭和40年4月に照洋丸操機次長、昭和43年8月に白竜丸三等機関士、昭和46年9月に白鴎丸二等機関士、昭和48年1月に照洋丸首席三等機関士、そして昭和61年4月に、当研究所調査船わかたか丸の一等機関士として御栄転され、合わせて40年の長きにわたりその業務に精励され、当所の調査活動にも大きく貢献されました。
 また、故人の仕事に対する誠実で真摯な態度と、遺憾なく発揮されたその指導力は他の職員への模範となるとともに大きな信望をあつめました。誠実な資性と仕事を愛する情熱は薫陶を受けた多くの船員の心に深く浸透し、脈々と受け継がれていくことと信じます。本年3月公務員としての定年を迎えられる矢先に、この世を去らなければならなかった故人の無念さを思うと、まことに痛恨の極みです。仕事に精励される故人のお姿を思い浮かべる度に落涙を禁じ得ません。
 ここに故人の冥福を祈りつつご通知申し上げます。
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