渡辺 洋


 4月1日付で遠洋水産研究所より、当所資源管理部浮魚資源第2研究室に配置換えとなりました。大学院時代、学位論文をこの研究室で書いたこともあり、私にとっては古巣に帰ってきたようなものです。しかしながら、赴任してみて驚いたことに、当研究室のカツオ資源研究に対する基本的な考え方がその当時と殆ど変わっていないことでした。つまり、東北海域、そして竿釣り漁業が主体とされていることです。近年、熱帯水域におけるまき網船による漁獲量の急増により、カツオ資源に影響が出始めているのではないかと言われている状況の中で、分布範囲と漁業の一部を軸とした研究では資源評価を考える上で不十分であります。それゆえ、これからはカツオ資源と漁業の実状を考え、西部系群を主対象に、外国漁船の操業データの収集を含め、調査研究範囲を大きく拡げることを考えて行く予定です。当然、カツオに関する国際研究集会への出席や外国研究機関との共同研究を行う機会が出てくるでしょう。そのためには、若手スタッフの外国留学を実現させ、語学力の強化を図りたいです。一方、これまで培われてきた東北海域を中心としたカツオ研究についてもより一層の発展と、余裕があればビンナガやクロマグロ等の東北海域に回遊するマグロ類についても研究対象として行きたいと考えております。少ないスタッフでどこまでできるか不安はありますが、これまでとは違った味を出して行くつもりです。

(資源管理部浮魚資源第2研究室長)

Yoh Watanabe

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