佐々木静夫


 平成4年3月31日付を最後に東北区水産研究所わかたか丸を退職致しました。
 顧みれば昭和36年10月八戸支所第一旭丸に就任以来40年6カ月長い間の海上勤務に従事出来ました事は偏に皆様方のお陰と心からお礼申し上げます。
 入庁当時からの事を思い出しますと第一旭丸は底魚調査が主で東北、北海道沖合での着底トロール…。大変な調査でしたが今になって見ればよい思い出です。
 昭和35年第一旭丸の代船(旧わかたか丸)が三重県伊勢市大湊強力造船所で建造(第一旭丸は名古屋の海員学校へ)旧わかたか丸では東北水研初代所長木村先生による表面に於ける潮目(あぶく)調査、仙台湾でのIBP調査、海洋部による海洋調査に参加した事が思い出されます。
 45年には現在のわかたか丸が大分県臼杵市臼杵鉄工造船所で建造(旧わかたか丸は九州のある業者へ)、現わかたか丸に8年間おりましたが昭和53年4月1日付本庁船白竜丸に転船、太平洋アメリカ西海岸取締業務に8年間、昭和60年4月1日付、旧開洋丸に転船アメリカ西海岸(公海)にてマアジ調査、第五次南極調査、北洋(公海)でのスケトウダラの調査に参加致しましたが、特に思い出深い事は南極調査での巨大氷山、何万年前に出来た物かわかりませんが朝夕の太陽との屈折がとても綺麗で言葉で言い表せない神秘さに感動させられ今でも思い出されます。本庁船での思い出もいろいろございますが、平成元年4月1日付11年ぶりに古巣であるわかたか丸に転任、浦島太郎ではありませんが帰って見れば何とやら、大変な変わり様で果して私でやって行けるのかと思いましたが皆様方の御協力により何事もなく東北水研を卒業出来ました事に対し心から感謝致します。有難うございました。
 皆様方の健康と一層の活躍を祈り退職の言葉といたします。

(前 わかたか丸船長)

Shizuo Sasaki

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