北川大二


 4月に八戸支所底魚資源研究室から資源管理部浮魚資源第1研究室に赴任してすでに4ヶ月がすぎました。これまでは主にヒラメ・カレイ類などの底魚や人工魚礁に関する研究に携わっていましたが、今後はサンマを中心とする浮魚類を対象に研究を行うことになります。これまでの研究分野と大きく異なるのでいささか戸惑っているのが現状です。
 サンマ資源の研究の歴史は長く、その間に多くの諸先輩が立派な研究を積み重ねられてきました。特に前室長の渡邊良朗氏を中心として行われた耳石日輪解析を始めとする稚魚期に関する一連の研究は、サンマ資源の研究を大きく発展させたものといえます。これらの成果はサンマの漁況予測手法として昨年度より実際の漁況予報に応用されています。当面の課題としては、これらの手法による漁況予測精度の検証がまず必要であると思います。
 マイワシ資源の減少が現実のことになってきた現在、同じ浮魚資源であるサンマの重要性は益々大きくなると考えられます。いうまでもなく、サンマ資源についてもまだまだ未解明の問題が多く残されています。これまでの底魚研究で得た経験をいかして、サンマ資源研究の発展に寄与できればと考えています。

(資源管理部浮魚資源第1研究室長)

Daiji Kitagawa

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