杭州での見学先

第二海洋研究所

 1966年設立。主要な任務は、東海および近辺における海洋環境特性、環境変動の規則性、人類の活動による環境への影響評価、さらにこれらの研究を実行するための海洋資源の開発、海洋管理、環境保護あるいは海洋技術向上に対する基本資料の提供などである。職員数は約600人(うち研究者:約400人)で、研究者のうち、高級研究者が50人、中級研究者が170人である。22人の学生を指導している。研究室は9研究室(海洋地球物理、海洋地質、海岸帯、海洋遥感技術、海洋水文気象、海洋化学、海洋生物、水化処理、海洋環境評価)と3つの研究支援室(計算分析、情報資料、海洋技術)を有する。
 「日中黒潮共同調査研究」の第二研の責任者は袁耀初氏で、重要な国際研究プロジェクトと位置づけている。物理海洋研究の主なテーマは黒潮の流軸変動と沿岸水との関係、台湾暖流の動態と湧昇との関係、東シナ海の黒潮と他海域の黒潮との関係などである。
 海洋生物関係では36人の研究者がおり、4つのグループ(生産力関係を含む植物プランクトン、動物プランクトン、ベントス、微生物)に分かれている。1989年11月来日された何徳華女史と陸斗定氏がおられ、再会の機会を得た。このグループの黒潮研究の主なテーマは、生物指標による台湾暖流の源と行方の追跡と東海の黒潮前線の生物生産の検討、魚釣島漁場と黒潮変動との関係である。黒潮研究のほかに、約2,000の島がある浙江省沿岸における水産資源を目的にしたバックグラウンド調査である島しょ調査に力を入れている。
写真 公室での挨拶