東北区水産研究所

靏田義成

　平成３年４月１日付けで水産工学研究所の漁場生産工学部に配置換えとなりました。昭和６２年１０月から丁度３年半、東北水研で過ごさせていただきましたが、赴任して間もなく、仙台湾のイカナゴ紛争を直視することになり、漁業の厳しさと漁業管理を専門に研究する体制の必要性を痛感させられました。この間、宮城、福島、茨城３県の水試の方々と一緒に研究会を持ち、イカナゴの資源評価や資源回復のための方策を漁業に即してとりまとめることができ、漁業の調整に少しでもお役に立てたことは、私にとって大きな転機となりました。また、報告書の取りまとめやマスコミをめぐっての色々の体験を通して強く感じたことは、至極当然のことですが、正確で的を射た研究を、常に心掛けなければということでした。
　水産工学研究所では、「生物の本能、例えば色欲、を利用した漁獲技術の開発」を、利根川の悠々の流れに竿さして行いますので、これからも、叱咤、ご支援をよろしくお願いします。
　最期に、漁師さん、水試の方々、また多くの人達に助けられて、苦しいときでも松島を美しく感じて過ごせたことを感謝するとともに、皆様方のこれからのご発展をお祈りします。

水産工学研究所漁業生産工学部漁獲性能研究室長

Yoshinari Tsuruta

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