三本管善昭



 このたび、畔田前資源増殖部長の養殖研究所企画連絡室長への転出にともない、その後任として4月16日付で転任してまいりました。前任地の中央水産研究所企画調整部兼水産庁研究課勤務で増養殖担当研究管理官として東北区の増養殖業について勉強させていただきましたし、二十数年間勤務した北海道区水産研究所増殖部とは研究対象種等で共通する点が多いことから、初めての勤務地ではありますが全く違和感なく仕事が出来るような気がいたしております反面、2年ぶりの研究第一線復帰で緊張しております。着任して約3月経過し、資源増殖部はノリ・ワカメの人工採取やアワビ等貝類人工種苗生産等の研究と技術開発でわが国最先端の研究業績があること、基盤研究と技術開発がバランスのとれた形で実施されていることなど、水産業の国立研究機関として最も望ましい運営が行われてきたと強く感じております。さらに、担当海域の試験研究機関・行政・業界との会議に出席して感じましたことは、東北ブロックの産学官連携のコーディネーターとしての資源増殖部の位置づけが明確にされていることであります。これらについてご尽力された歴代部長・部員の皆様に敬意を表しますとともに、この方針を今後も堅持して参りたいと考えております。
 東北海域は暖流・寒流両水系の多様な生物相や豊かな生産力などに恵まれており、海藻や貝類にヒラメ・カレイ類等の高級魚類を加えた多様化・複合化した「つくり育てる漁業」を展開するための条件をわが国で最もよく備えております。海域の特徴を最大限に活用して東北の「つくり育てる漁業」を確立し、漁業危機を打開するため微力ではありますが努力してまいりますので、業界、行政ならびに試験研究機関の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
資源増殖部長

Yoshiaki SannbonSuga

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