鎌野 忠



 耳慣れぬ東北の話し言葉が“いいものだな”と思いかけた頃に八戸の地を離れることとなり、今改めてお世話になった方々のお顔を一人ひとり思い浮かべながら書いております。過ぎれば短い三年間でしたが、公私共にお付き合いをさせていただき、ありがとうございました。
 仕事上での自分自身の働きが、どうしたこうしたとは、僅か三年間多くの事が出来ずに申し訳なく思っております。私生活面では、単身で八戸に着任し、離れる時は三人となったのですから、私自身の節目ではなかったかと思います。
 北国の四季では、長い冬から春のきざしが感じられる頃も好きなのですが、短い夏を精一杯楽しむ“ねぶた祭”の頃というのも、これまた最高ではなかったかと・・・。航海と航海の合間、大自然のなかで釣りを楽しむ事が出来たのも、今となってはちょっと贅沢でした。
 川崎に引越した四月、ちょっぴり不安な気持ちを隣の公園に咲いている桜が迎えてくれ、ほっとした事でした。現在、開洋丸に席を置き、調査の事に関しても知らない事ばかりの毎日を送っています。この機会に、しっかりした知識と技術を学ぶことが出来ればと思っている今日この頃です。
 最後になりましたが、またいつか、どこかでお会い出来ることを楽しみにしております。
水産庁開洋丸漁撈技術士

Tadashi Kamano

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