ある1日の始まり

畑村 一広



 ジリリン・ジリリン・ジリリリリン。6時30分、目覚まし時計が鳴り始める。体は反応するが意識は眠ったままである。右手がのびてベルを止める。再び目覚めるのは7時。慌てて洗面所に走り顔を洗う。身支度して寮を出るのが7時50分。通りに出てバスに飛び乗る。目を引くものもない景色を眺め大船駅に向かう。バスを降り駅まで歩く。4〜5分歩いてやっと駅である。駅に着くとそこには人・人・人。毎朝ここで嫌になる。人波をかきわけ改札口を出る。ホームに降りるとそこにも人・人・人。毎朝ここでも嫌になる。時計を見ると8時5分。『間もなく電車が参ります。危ないですから白線の内側へお下がり下さい』ホームに放送が響く。長い長い電車がゆっくりとやって来る。いつものように1番後ろのドアに向かう。電車が止まりドアが開く。またまたそこにも人・人・人。嫌だと思っても仕方が無い。僅かな隙間に体を押し込んでいく。ドアが閉まり電車が動き出す。しばらくまわりを見渡してみる。『綺麗な女の子はいないかな』いなければそのまま目を閉じる。戸塚・横浜・川崎・品川、駅に止まると目を開ける。『今日はいない』と思っているうちに新橋に着く。山手線に乗り換え有楽町へ。駅を出てバス停に行きマリオンの時計を見上げる。9時。しばらく待ってバスに乗る。銀座・築地・勝どき橋を渡り新島橋へ。銀座四丁目は今日も人でいっぱい。築地は活気に満ちている。隅田川の景色は最高。バスを降り、水研に向かって歩き出す。さあ、1日の始まりだ。
 毎日こんな風に通勤しております。そちらですいすいと通勤していたことが懐かしく思われる今日この頃でございます。そちらでは大変お世話になりました。どうも有難うございました。こちらにいらした際は是非お声をかけて下さい。夜の銀座をご案内致します。
中央水産研究所総務部会計係

Kazuhiro Hatamura

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