橋本良平



 退職してはや3カ月になりました。勤めがないと人との関わりが少なくなります。そのために、現在は週に3日ほど外出して水研以外の人達と交流しております。
 昭和22年農林省水産試験場宮古臨時試験地に勤め、その後昭和25年東北水研八戸支所の開設で八戸に移り40余年の間、多くの方々から公私にわたるご指導を頂き、無事定年を迎えることができました。厚くお礼を申し上げます。
 私は底魚類の調査研究に携わり、その中でも主にスケトウダラを対象にしてきましたが、解明されたことは少なく、今後若い人達に期待したいと思います。
 この40年の間には三陸沖の沖合底曳網漁業も大きく変わってきました。漁船の大型化、漁労機械の充実と岩手県沖での2そうびき網の操業があげられます。その結果、水揚物組成も大きく変化しております。20年以前はカレイ類やキチジといった中高級魚の割合が高く、アブラツノザメやマダラも多かったのに、年々カレイ類キチジ、アブラツノザメ等は減少し、変わってスケトウダラの割合が高くなって、現在は殆どがスケトウダラによって占められています。漁獲の影響を受けやすい魚とそうでない魚、また繁殖の違いなどの問題があると思いますが、カレイ類やキチジがこれほどまでに減少し、スケトウダラが増大したのには、ただ驚くばかりです。また、主要魚種にはそれぞれ漁期があったのに、漁獲が少なくなってからは明瞭な漁期が形成されなくなったように思います。
 沖合底びき船でも廃業する船が出ており、漁業経営は大変な時期にきております。今後は水研への期待も大きく、水研に対して具体的な要望が増えると思います。ご健康に留意されて、研究を発展させて下さい。その研究成果が漁業に役立つ様お祈り致します。
Ryohei Hashimoto

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