佐藤留美

人生は勉強です  その2



 私が東北水研採用され図書室配属となったのが今から4年前の4月の事でした。それからまる4年間、本とのお付き合い(闘い)をしてきました。研究者が望む資料を提供する、或いは使い易く利用できるような状態にしておくことが図書室の役割であると考え、仕事をしてきたつもりでした。
 が、さて本当に私は、その役割を果たしてこれたかな?・・・という判断は研究室の方々の胸の内だけにしていただくとして、その図書室は、増える本に合わせて広がるなんていうことがある訳はないので、限られたスペースの中で増える本を如何に上手に整理していくか、というのがこれからの図書室に新しく課せられた条件となり、なおかつ情報社会の中で技術会議サイドでも図書を情報と置き換えて乗務を進めている等様々に変化していく図書室をどう運営していくか、どう変えていかなければならないのかといったことがこれからの図書室のあり方ではないかと思いながら、その計画及び試行段階で異動する事が私の心残りであるけれど、その後に期待をしているところでっす。
 幸いにして情報化社会というものは各種業務のOA化があってこそその時代の流れのひとつであり、何kgもの重さの辞書などをわずか数センチ四方のフロッピィーに変えると行った省スペースの方法を図書室で利用しない手はなく、つまり図書室の機械化です。機械化については今更私が述べることではありませんが、考えなければならないのは機械化をしようする時点での図書室の状態とその診断です。全く新しい発想をもっての機械化という方法もあるかと思いますが、やはりその図書室のどの部分をどう機械化していくのか、これ位の規模であるならどのソフトがふさわしいかというのはその図書室を知っている人でない限り難しい様な気がします。
 一人が何年もかけて図書室を知り尽くす、知り尽くした人がいる、ということは確かに図書室を利用する人にとっては都合のいいことに違いありません。しかし、その裏を考えてみればその人がいなくなるということで都合のいいことは全て裏切られてしまう訳です。
 私たちの世界には常に人事異動が伴うことを頭に入れておく必要があり、人の異動でのマイナス面を最小限にする図書室というのが本来求められて当然の事と思います。つい最近までの水研の図書はあまり人事異動がなく、そのせいか他の事務官は図書はどんな仕事なのかを知ることがないし、仕事が分からないからやってみようとも思わない、やってみようという人がいないので人事の交流はない、交流がなければそこに居る人がやらざるを得ない。といった悪(?)循環になっているのが現状のようですが、最近その循環はなくなってきているようですし、機械化の方も徐々に進みつつあるようですが、先程述べた診断というものが果して正確に行われての事なのか、機械化の意気込みだけが先行しているのではないか、水研を出てしまい無責任な身でありながらも考えてしまうのです。人事のこと機械化のことは、当事者だけではどしようもないのでそれに関係する全ての人が先ず正確に問題意識を持つことから、解決の糸口をみつけてほしいと、今の私は希望するのみなのです。
 仕事というのは全部が全部こなせるとは限らず、常に新しいことが目の前に現れてきます。その都度正しい対処が求められ、対応していかなければならずその為に様々な知識を得ておくということはいうまでもありません。常に人生は勉強です。
 これからは今までとは全く違う農政という世界で仕事をするに当り、このチャンスを与えてくださった方々に感謝すると同時にこれまで色々と公私ともに御指導頂いた東北水研の皆様、各水研の皆様、技術会議及び各試験場情報関係の皆様に厚く御礼申し上げると共にこれからも何処かでお逢い出来ることを楽しみにし、紙面にて失礼ですが、水産庁転出の挨拶とさせて頂きます。本当にありがとうございました。
東北農政局土地改良技術事務所

Rumi Sato

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