資源増殖部・藻類増殖研究室

谷口和也



 地球上の動物は、人を含めて、太陽エネルギーを光合成によって有機物に変えることのできる植物を直接、間接に食うことによって生命を維持する。光合成に基づく有機物の生産を一次生産といい、海中では褐藻、紅藻、緑藻など海藻が担っている。藻類増殖研究室では海藻による一次生産を人間にとって有用な方向に向上させる技術の確立を目的とする。ノリ、ワカメ、コンブなど養殖生産対象種は収量の増加と品質向上のため、種苗生産、病害防除、育種などの研究に従事し、安定生産に寄与した。海藻の一次生産は直接的な生産物ばかりでなく、間接的に動物の漁業生産の向上や海域の保全に資することができる。このような研究はマコンブ及びアラメの海中造林技術体系の確立として実現した。今後、養殖生産対象種の研究はもとより、沿岸の生産力を安定維持するため、海藻生産を基盤とする生物群集構造の解明を更に推し進めることになろう。
Kazuya Taniguchi
目次へ戻る

東北区水産研究所日本語ホームページへ戻る