工藤英郎



 東北水研と関係機関の皆様には、長年にわたって大変お世話になりました。この紙面をお借りして厚く御礼申し上げます。さて新潟は魚が高いのを除けば暮し易い街で、日水研も風致地区の中、女子大が隣と恵まれた環境にあります。給料は日銀からの産直品支給で、1円玉までが真珠のように輝いており、魚臭の漂う東北水研の周辺や給料袋とは雲泥の差です。しかし、街やお札にしみついた魚臭は、多くの問題を抱えながらも、未だ水産の生産基盤が強い証拠でしょう。日本海では沿岸重要資源の枯渇が、漁業から研究課題の選択にまで深刻な影響を与えており、生産拡大に直結する研究課題がごろごろしている東北海区とは全く逆です。日水研での私の当面の課題は「深層水利用による海域肥沃化」ですが、日本海側でも安い魚と、魚臭いお札が出まわるよう研究の基礎になればと、夢のまた夢を見ています。
日水研海洋環境部長

Hidero Kudo
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