スタートライン

山田秀秋



 水研に入所して、はや半年が過ぎようとしています。ほんの1年前を思い返せば、今の自分の立場は全く夢の様でありながら、この道以外考えられなかったという感じもしています。あの頃は、私の様な素人に近い者が研究の道に進む事に対して周囲の反対は大きかった。それにもまして、私自身も不安でした。でも、最終的に水研の研究者になろうと決めたのは、自分の素質・能力は度外視して、とにかく一番やりたい事をやるべきだと考えたからです。
 このような私が誇れるものといえば、“無知の知”これです。そして、凡人なりに最大限の努力をして、ようやく今の素晴らしいスタート・ラインにたてたのです。近頃つくづく思うに、努力というのはどこまでも辛く、無知というのは本当に楽なものです。でも、楽をしていてはいけないのです。研究者としての現在の私は、人間的にも学問的にも余りにも未熟過ぎます。これから両方を解決して初めて、一人前の研究者として自分だけの世界を造り出せるのだと思います。その際に大切にしたい事は、“自然に学べ”です。自然に対しては常に謙虚に接していたいのです。
 現在、私個人も水産研究所も、そして水産業界も極めて重大な局面にたっています。今のところ、恥ずかしながら自分の事を考えるのが精一杯の情況ですが、何事にも真っ向からぶつかっていく所存でありますので、よろしく御指導お願いいたします。
増殖部藻類研究室

Hideaki Yamada
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