定年退官ご挨拶

竹内 勇



 去る3月31日、公務員の定年制度施行初年度に東北水研を退官しました。長い研究生活では、各方面の方々から公私にわたるご指導、ご鞭撻を項き、無事職務を終わることができました。厚くお礼申し上げます。
 札幌で大学時代に余市の北海道水試にお世話になったのがご縁で、卒業後地方技官として採用になり、翌年の機構改革で、北水研に変わりました。
 春ニシン漁業は衰退期にありましたが、まだ漁場では、沖揚げの光景を見ることができました。
 昭和27年、マッカーサー・ラインが撤廃され、同時に北洋漁業が再開され、当時東海区水研に所属していた天鷹丸に便乗して、サケマス漁場の海洋観測に参加しました。昭和31年には、サケマス母船の監督官として乗船しましたが、所属独航船が沈没し、捜索の結果、三遺体を収容するという悲劇に直面しました。32年60トンの用船で、西カムのタラバガニ調査に出航しましたが、独航船に衝突され沈没しました。34年に、また西カムに出掛けたところ、ソ連の沿岸警備艦に領海侵犯容疑で臨検を受けましたが、何とか切り抜けました。
 ブリストル湾のタラバガニ漁場に監督官で出掛けた頃から、腰痛が持病となり現在も続いており、軽い運動をしています。水産業も大変な時期にきています。無事に切り抜け、明るい展望を見出して欲しいものです。
前資源第3研究室長

Isamu Takeuchi
目次へ戻る

東北区水産研究所日本語ホームページへ戻る