東北水研を離れて

佐々木實



 20有余年間お世話になった東北水研の皆様、長い間いろいろ有難うございました。
 今、住み慣れた水産研究所から水産行政に転出してきて4カ月を経過しました。ようやく研究室単位の少人数で仕事をしてきた習慣から、大部屋で多人数の人達と一緒に仕事をすることに慣れてきた所です。 ”季節が都会ではわからないだろう“といった歌詞がありましたが、赴任してきた当時宿舎の周りにキンモクセイの香りが一杯に、そして今、水仙の咲きみだれる様子をながめながら自然の移りを身近に感じています。
 昨年の暮れには昭和61年度政府予算の編成作業、そして国会対策に日夜努力している人達を目の当たりに経験しながら、今後の私の役割を思考していきたいと思っています。
 ところで現在分担している一つに「マリノフォーラム21」という研究組織がありますが、このことのあらましを紹介して近況報告にしたいと思います。
 水産庁開発課は沿岸漁場整備開発事業に基づいた「魚礁漁場の利用管理」と「栽培漁業」を基本とした事業を推進していますが、もう一つ昭和60年10月に設立発足したマリノフォーラム21(日本の200海里の漁業開発を進める会)の推進も担っいます。この組織は21世紀を展望し、我国周辺の沿岸漁場の造成整備を目的とし栽培漁業を中心とした「つくり育てる漁業」を一層推進するために、水産分野のみでなく、他の民間産業分野も含め産・官・学が一体となった共同の 技術開発を進めようとする組織です。昭和60年度は6つの研究会が組織されてそれぞれの研究会ごとに方向性を検討している段階ですから、61年度にあと2つの研究会が加わる予定になっています。このマリノフォーラム21を推進していくために水研の研究者の協力がぜひ必要であり、具体的には研究会への専門家としての参加、或いは積極的な提言等を含めた情報提供が必要です。どうかこの辺の対応について水研内で御討議していただければ幸いです。
 若干脱線ぎみの挨拶となりましたが、最後に東北水研の皆様の益々の御発展を期待して挨拶とします。
水産庁開発課・水産専門官

Minoru Sasaki
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