表紙写真の説明


 本文中で永沼技官が紹介している“マリアナ西部海域のカツオ調査”において照洋丸が流し刺し網を揚網している場面。1,400トンの照洋丸は、流し刺し網を扱うには大き過ぎる嫌いがあるが、昭和59年に北洋さけ・ます流し網漁船の名漁労長であった宮城県唐桑町の畠山耕治氏を漁労作業指導者として招き、50日間の調査航海を行った結果(本誌 No.28“ミクロネシア海域のカツオ幼魚調査”参照)、水産庁所属調査船の中では、もともと北洋さけ・ます調査を主任務として活躍してきた北光丸に次いで、流し刺し網を使っての調査ができる船となった。このため、昭和61年度には、北洋における混獲動物の調査に本船が使われることになった。水産庁所属調査船は気象庁や水路部などの観測船のように単に海洋や海底の物理・化学・地学的観測を行うに留まらず、漁船と同様の漁具のほか特殊な採集具や魚群探知機も駆使して、生物の採集や魚群の分布・行動調査もしなければならないという多面的な能力を兼ね備えることが要求されている。これは船体の構造や設備のみでなく、乗員の技能や作業時間についても特殊性を要するのである。
(文:企画連絡室長,撮影:永沼 璋技官)

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