新しい機器の紹介
DBT(ディジタル記憶方式のBT)
新日本気象海洋(MOX−BT2型)、価格320万円

 従来のいわゆるメカニカルBTでは、先ず記録用ガラス板(片面煤塗り又は金箔付け)を BTに挿入し、水面下に降ろしていくと(普通270m位まで)、この板上の煤又は、金箔を 記録ペンが掻破して、水温−深度曲線を画く。BT引上げ後、この板を水温−深度読取り ルーペにはめてこれを読み取るという方法であるのに対して、このDBTは、事前に充電して おいて、降下直前にマグネットスイッチをオンにし水面下に降ろしていくと(1,000m迄)、 水温は深さ1m毎に内蔵のICメモリーに記憶される。BT引き上げ後、データ読出器(DBTと 読出器のセットで150万円)にコードで連結すれば、自動的に水深1mごとの(あるいは10m ごとの、又は、任意の水深の)水温値が紙テープに打出される。XYレコーダー(170万円) に連結すれば水温−深度の曲線も簡単に求まる。以上のことから、従来のものに比べて 取扱いが簡単、精度もよい、データ処理が容易等が期待された。53年5月の蒼鷹丸の観測の際 初めて使ったが、ほぼ期待通りであった。ただ現在のモデルは0℃以下が測れないので注意。 この点早急に改良されることを希望している。以下に仕様要目を示す。
水温0〜40℃、精度±0.05℃、水深0〜1,000m、精度±0.3%、 連続15時間使用可、充電用電源及び読出器用電源、AC 100V50〜60Hz

kiren@myg.affrc.go.jp

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