黒潮開発利用調査研究
(科学技術庁予算 52〜56年)
黒田隆哉
黒潮海域は我が国の水産資源・気象・海運・自然環境に極めて大きな係り合いを有し,経済社会活動に大きな影響を及ぼす海域である。科学技術庁では5ヶ年予算で,水産庁・海上保安庁・気象庁・関係都府県・海上科学技術センター及び東海大学と協力して,黒潮海域の開発のニーズに合わせた情報資料の収集を計画的に進め,その可能性を評価することとした。その実施体制・分担は
調査研究体制組織図
のとおりである。
その実施内容は
(1)
黒潮のエネルギーの把握,
(2)
黒潮の浄化能力の把握,
(3)
黒潮変動機構の解明,及び
(4)
生物生産の基礎機構の把握
でありこれらを総合して
(5)
海域特性の評価
(イ)特性の把握
(ロ)開発ポテンシャルの検討
を行おうとするものである。
このうち水産庁グループは(1)及び(3)の物理的研究に間接的に寄与するが,基本的には(4)を分担する。参加各水研はそれぞれの実態に応じて調査研究を実施するが,(4)についての考えかたを共通意識として持つこと,さらに(5)については(イ)海域特性の把握のなかで,黒潮周辺海域における平均的な基礎生産力の把握ということで対応することゝなった。東北水研グループ(含茨城県水試)の分担水域・定線は犬吠埼南東線及びその周辺海域(
図
)で,こゝを調査研究の現場として52〜56年の5ヶ年活動することになっている。
(海洋部長)
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