編集後記


 春からの低温と日照不足から冷夏が心配されたが、順調な好天候にめぐまれ、雨も少なく、台風の襲来もなく秋晴れの日が多く、10月末でも9月中旬頃の陽気で季節はずれの残暑となった。各地で小雨多照の記録が更新され、稲作は史上五番目の豊作。
 海の上の眼にみえない線が如何に国際的に厳しいものであるか!! 伝統的漁場も実績ではなく余剰配分という200海里時代を現実の漁業の操業実態から、また海洋・漁場調査を通じ極めて厳しい現実を痛感した。
 漁業問題は日本の海と魚の再開発に際しての問題と世界の中の漁業として身近な関心事である。また限りある地球の主要な問題−人口問題、食糧問題、環境汚染問題など−に漁業問題は直接もしくは間接的に結びついている。それは漁業資源は適切な管理技術と生産技術を高めることによって、拡大再生産できる資源であるからである。これらの諸問題を解決する場合には漁業問題は大きな意味をもってくる。真剣に基礎を固めていかなくてはならない。
 東北水研では本年海外出張者4名、諸国からの中・短期外来研究者の来訪もめざましく、研究進展のほどがうかがへ、国際的研究所として発展しつつある。
 今号からの表紙写真は、三陸の漁港やリヤス式海岸・湾など、沿岸の千差万別の姿を空から眺めることにします。この企画には水産航空株式会社の全面的なご支援により連載します。ここに深謝いたします。
 本ニュースの内容を益々充実して、座右の便覧として利用できるようにしたものいです。よろしく御協力下さい。
 次号は6月発行の予定です。
(ニュース委員:浅野象治、浅野政宏、武籐清一郎、谷口和也、三河正男、堀田秀之)

kiren@myg.affrc.go.jp

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