編集後記


 西風がいつしか南東にまわり、松島の島々をぬって観光連絡船の拡声音が水研の構内にも届いてくるこの頃であるが、例年の通り学会、研究のとりまとめ、或いは諸報告と各研究室とも多忙をきわめている年度末の東北水研である。
 今号では、環境保全関係の研究促進調整費で「あなあき症ワカメ」の被害発生機構の研究を進めている研究班に、被害発生地である現地気仙沼湾の漁業関係者からも期待されている原因究明状況を中間報告の形で寄せていただいた。
 この外、標識放流紹介シリーズも5回となり、今回は国際化の中で研究が注目されているカツオの標識放流をとり上げることとし、また支所からは再捕報告についての紹介がなされたが、多獲性魚の再捕報告、いや発見が極めて僅少なことに驚いている次第・・・。漁業資源の動向解明にひたむきな研究努力をされ、調査船上で1尾1尾標識をし、再捕を祈って放流する学究諸兄の「こころ」を各関係者に察してもらいたいところである。
 それから本所(塩釜市)と支所(八戸市)の第1回交流会について支所長の感想を寄せていただいたが、懸案であっただけに正に「案ずるより・・・」の感を深めると共に、更に今後の交流の中から、相互の研究発展を祈りたいものである。
(瀬戸)

kiren@myg.affrc.go.jp

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