新しい施設


 
 浅海域における増養殖漁場の開発に関する総合研究の一環として、青森県下北半島の先端にある尻尾と岩手県九戸郡種市の宿戸にアワビの実証漁場を設置すべく現在海中造林をすすめているが、この周辺の海の年間を通じての実態を記録する目的で、夫々の実証漁場の附近に波高計を主とした環境測定装置を設置する。
 この装置は約1000m沖の岩盤へ海底架台を設け、架台の上に拡散ケージ使用水圧式波高計を設置した特殊水密型ハウジングを取付ける。そしてこの感度部と陸上の有線式テレメーター装置,ペン書き記録計など記録部との間を外径36mmの二重外装ケーブルを敷設して結ぶものである。そして宿戸の測定装置には塩分濃度計と温度計が併設される。
 この装置が作動することによって太平洋の荒波の押し寄せる下北半島や岩手北部沿岸の冬の海の実態を解明できれば、今後の同地方の増養殖研究の推進に役立つ処が大きいと考えられる。
 この測定装置の設置にあたっては農業土木試験場水理部第3研究室が設計を担当し、今後の運用にあたっても農業土木試験場と東北水研との協力体制をしいている。
 なお、設置に要した費用は尻屋と宿戸とで測定器機350万円、海底ケーブル340万円、海底ケーブル敷設・架台設置など海底作業工事と陸上の工事を含めて410万円、しめて1,010万円と大型で、工事の完了は昭和47年12月末の予定である。
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