東北海区海況予報

平成13年10月5日
独立行政法人水産総合研究センター 東北区水産研究所

<<今後の見通し(2001年10〜12月)>>
(1)近海の黒潮の北限位置は,平年並からやや北偏(37゚N〜37゚30’N)で推移する.
(2)黒潮系暖水の北への張り出しは,沖合を中心に平年より北寄りに推移する.
近海では,40゚Nを越える.
沖合では,150゜E以東で41゜Nを越える.
(3)色丹島沖の暖水塊は,北東へ移動する.
鮫角沖の暖水塊は勢力を弱め消滅する.
金華山沖合の暖水塊は,北西へ移動する.
(4)親潮第1分枝の張り出しは,平年並(41゚N付近まで)で推移する.
親潮第2分枝の張り出しは,平年並(40゚N付近まで)で推移する.
三陸南部から常磐近海は,冷水域の影響を受ける.
(5)津軽暖流の下北半島東方への張り出しは,平年並(143゚E付近)である.

 
《海況の経過(2001年1月〜2001年8月)の特徴》
表面水温は,三陸北部から北海道沿岸域で平年より低く推移した.三陸南部以南は,沿岸部で親潮系冷水の影響を受け平年より低めであった他は,平年並〜高めで推移した.
近海黒潮の北限位置は,3月を除き,北偏傾向で推移した.
2000年9月以降南偏していた親潮第1分枝は,3〜5月にかけて北退傾向,5〜7月に南下傾向を示し、3〜6月の間平年並,7〜8月に南偏した.
《現況(2001年9月上旬〜9月中旬)の特徴》
(1)近海の黒潮の北限位置は,やや北偏(37゚20’N付近).
(2)黒潮系暖水の北への張り出しは,近海で平年並.
(3)暖水塊が,色丹島の南東約220km沖(42゚N,148゚30E),鮫角の東約180km沖(40゚30'N,143゚40’E),および金華山の東約480km沖(38゚30’N,147゚E)にある(*).
(4)親潮第1分枝の先端位置は,やや北偏(41゚N).親潮第2分枝の張り出しは,やや北偏(39゚50'N). 親潮第1分枝に連なる冷水が,38゚Nまで達している.
(5)津軽暖流の下北半島東方への張り出しは,平年並(143゚10'E).
注: 現況および今後の見通しは図を参照のこと.
(*)は人工衛星情報による.
「近海」は146゚E以西,「沖合」は146゚E以東を表す.

参考
図1(現況)、 図2(今後の見通し)、