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プロジェクト研究の方向と今後の展開



海洋の生態系研究は、青い水と膨大な水圧、それを取り巻く大気・海洋相互作用という フィールドの障壁に立ち向かう宿命を負っています。この意味で、海洋生態系研究は宇宙開発研究と並んで未知の分野に立ち向かうフロンティア研究といえます。海洋生態系研究は、計測技術の開発とデータ収集から始まり、生態系構造と動態の理解の深化、定量化と単純化によるモデルの構築と検証、変動予測手法の開発など、一連の研究が繰り返し行われることにより一歩ずつ着実に進んで行きます。この結果得られた特定対象種の予測手法は、基本パラメータの精査と追試により、他の対象種への応用も可能となります。また、特定の海域で得られた生態系を通した物質循環の定量化は、資源変動機構の解明と生物資源の持続的利用方策の検討に不可欠なものです。

 海洋生物資源プロジェクトは、フロンティア分野における「海洋資源利用のための技術開発研究」として進めてきました。2年間の研究は、年度ごとに推進会議や評価会で点検を繰り返した結果、当初の予定を大きく上回る成果をあげてきました。今後は、これまでの研究成果を踏まえ、「海洋生態系のトワイライトゾーンを探る」をキーワードとして、各チームごとに以下のような研究を推進します。また、密接に関連する、地球温暖化の影響や生物多様性の保全に関する研究との連携を行いつつ、今後の
研究展開を図っていきます。

(1) 課題 深層生態系研究
 黒潮域から親潮域をフィールドとして生態系の構成種と喰う喰われる関係を再点検し、物理過程・プランクトン・マイクロネクトン(小型遊泳生物)による物質輸送の定量化および浮魚類資源へ及ぼす影響の解明を進めます。また、表層生物生産が深層生態系・魚類群集の維持・変動に与える影響の解明を行います。さらに、資源生物の持続的生産管理手法の開発のための生態系モデルに用いるパラメータを、観測データに基づいて提供することを目指します。

(2) 課題2 海流変動とマアジ卵仔稚の配分予測研究
 TAC(漁獲可能量)の対象種として重要なマアジの東シナ海における主産卵場の特定と、これまでに開発した卵・仔稚魚の輸送モデルをベースに、マアジ仔稚魚の生残に関わる流動等の物理環境と生物環境を柱とする課題に重点的に取り組み、生残パラメータを組み込んだ仔稚魚の輸送モデルの実用化を進めます。さらに、今後、加入量予測モデルの開発において検討すべき課題の明確化を目指します。

(3) 課題3 生態系モニタリングシステム開発研究
 急速に進歩するデータ処理・通信技術と海洋観測技術を統合し、大量観測データの船間通信技術、光学や音響技術による計測手法開発など、生態系調査手法の飛躍的向上のための技術開発を進めます。また、衛星通信技術を用いた調査船のバーチャルラボ化を視野に入れた技術開発を目指します。
 

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