東北区水産研究所
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混合域海洋環境部


   □海洋動態研究室
   □生物環境研究室
   □高次生産研究室


        【写真】 東北海区の表面水温分布の衛星画像

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 東北の太平洋側の海域では、北海道の沿岸沿いに南下した親潮が下北半島の沖合で向きをかえて東に向かい、南では房総沖を黒潮が蛇行しながら東に流れています。
 また、日本海を北上してきた対馬暖流の一部は、津軽海峡を通り、津軽暖流として三陸沿岸を南下しています。下北半島沖の親潮と房総沖の黒潮に挟まれた東北の沖合には、親潮から派生した細長い舌状の親潮水の貫入(親潮分枝)や渦状の冷水域、黒潮から帯状に北に伸びる暖水(暖水ストリーマ)や暖水塊などの暖水渦が複雑に分布する、世界でも例を見ない特異な構造をしており、”混合域”と呼ばれています。

 混合域には、サンマやマイワシ、それらを補食するカツオ、マグロなどの多くの種類の浮魚が来遊し、また、沿岸・陸棚域はマダラ・カレイ・ヒラメなど底魚の豊かな漁場となっており、湾内ではギンザケ、ホタテガイ、カキなどの養殖業が高い生産をあげています。

 混合域海洋環境部の仕事は、このような豊かな水産資源を支えている混合域の海洋環境の特徴と生物生産の仕組みを明らかにし、資源の適切な管理や漁業生産の基盤である生態系の保全に役立てることです。そのため、黒潮続流、親潮、暖水塊などの混合域の海洋現象の物理的な構造と変動機構、資源生物の餌となる動・植物プランクトンの生態と生産機構、サンマ・マダラなどの生産機構などの解明について研究を行っています。]

 一方、混合域の海洋環境は、気候変動と関係があり、数年あるいは10年以上のスケールで大きな変動をしており、資源生物の変動と密接な関わりがあることが分かってきました。このような地球規模でおこる長期的な海洋環境の変動機構や海洋環境と資源変動との関係を解明するための調査・研究を、日本や米国の関係研究機関と協力して実施しています。