深海魚に触ったよ!,水圧変化にびっくり,

体験型イベントに子供たちは大歓声

手島和之


 これらは,一般公開の様子を掲載した新聞記事の見出しです。東北区水産研究所は,平成14年9月6日(金)に一般公開を行いました。今年は,従来の公開と趣向を異にして,小学生を対象として実施いたしました。このため,事前に近隣の小学校2校へ赴き,先生方に一般公開の趣旨,経緯,今年の行事等を説明いたしました。その結果,多賀城市立多賀城東小学校5年生児童103名と引率の先生方が午前中に,また,塩釜市立杉の入小学校5年生児童102名と引率の先生方が午後に,それぞれ一般公開に参加する運びとなりました。
 一般公開当日,心配した天気も何とか曇り空で,まずまずといった状態です。午前9時半に,多賀城東小学校の児童が調査船若鷹丸へ到着しました。8つの班に分かれてもらい調査船を見学しました(当日の午後,杉の入小学校も,調査船と当所において同様な班分けを行い,参加児童にイベントを体験して頂きました)。
 大型の調査船を見るのは初めてのある児童は,「船の中のお風呂や部屋や食堂が見れて良かった」と感想を述べていました。また,水深3千メートルの水圧で体積が縮んだカップ・ラーメンの容器を見て,大勢の児童が水圧の変化にびっくりしていました。
 約1時間の若鷹丸での見学を終えて,調査船から近くの水産研究所の庁舎へ移動しました。今回,一般公開として,@ミニ講演会,Aネット・サンプリング,B耳石の説明,魚の展示及びC電子顕微鏡観察,タッチ・プールを準備していましたが,見学時間が約1時間ということもあり,やむなく,2班(@とA,BとC)に分かれてもらい,全部を見学してもらうことが出来ませんでした。時間配分については,今後の課題です。
 水槽の中の魚,タコ,ウニ,エビ類を直接触ることができるタッチ・プールは人気があり,児童はワイワイといいながら,魚類を追っていました。また,魚の年齢を知ることができる耳石の説明では,初めて見る耳石の構造に,「木の年輪と同じだな!」と,驚いていました。魚の展示では,1メートル以上もある大型のイカや深海魚に触れたり,さらにはサメ類の鋭い歯や独特のサメ肌に触れて,児童は大歓声を上げていました。さらに,自分で採集した海水を観察するネット・サンプリングでは,採水した海水中のプランクトンを顕微鏡で見て,海水中にいる微生物に驚きの声を発していました。ミクロの世界を描き出す電子顕微鏡の観察では,塩の結晶やティッシュ・ペーパーの表面など,日頃目にできない世界を垣間見ることができました。その他,調査・研究活動を紹介する研究室のパネル展示やミニ講演会などがあり,約200名の児童は多彩な「体験型イベント」を楽しんでいました。
 最後に,一般公開中に来場された一般の方々にも,小学生同様に懇切丁寧に説明をしたり,案内をしたことを,付け加えておきます。
(企画連絡科長)

Kazuyuki Teshima