表紙写真の説明

 
岩手県大南部に位置する門之浜湾の水深約10m帯でエゾアワビ当歳貝が高い密度で生息している場所を発見した。表紙の水中写真はこの場所で岩手県水産技術センターの西洞孝広氏が撮影した殻長約5mmのエゾアワビ当歳貝である。生後2ヶ月程度と推定される。これまでは,サイズの小さな当歳貝の発見そのものが困難であり,また稚貝が棲息する場所も特定されていなかった。しかし,近年の三陸沿岸ではエゾアワビ資源量が増加傾向にあり,これに伴い天然稚貝の発生もよく見られるようになった。今後,天然におけるエゾアワビ初期生態研究の進展が期待される。
(海区水産業研究部沿岸資源研究室 高見秀輝)