“塩釜の随感”

近藤倬美


 2年間という短い期間でしたが、当時の楽しい思い出が昨日のように頭の中を駆けめぐっています。
 技術会議系からの新参者として、一路つくばから泣く泣く単身赴任(隔週金帰月来)をして、少しでも水研のためになればと微力をつくし頑張りました(自負)。
 最初に感じたのは、通勤途上の加工場で出会う何とも言えない臭気(そのうち慣れましたが)が、夏場は風向きによってはところ構わず、勤務場所にも入り込み、小生が「臭い」と言って窓を閉めると、「この臭いが心地よく感じるようにならなければ・・・」と一喝、今懐かしく思い出しています。
 また、人数の割にはスポーツが非常に盛んで、特にサッカー、テニスは老若男女問わず、水研全国大会が開催されている光景は、他では経験できない貴重な体験でした。サッカー場は、研究所入り口付近の狭い空き地を自助努力で草刈り、石除去等の作業を行い、ミニサッカーで良い汗を流しました。なかでも、畔田資源増殖部長(当時)の身体を張った闘志あふれるプレー(決して華麗とは云えない)には、相手側も敬意を表してたほどです。テニスは、管理棟前の広場(財産上は網干場)にラインを引きネットを張ってプレイに興じましたが、これもなかなか盛んで、昼夜を問わず楽しみました。暑い夏場の早朝テニスは、眠っている身体に気合いを入れながらゲームに興じましたが、その日の1日の勤務時間の長いこと、多分参加された方は皆そのように感じていたと思います。
 早朝と言えば、冬場ゲレンデになるところで、日の出(何とか先が見える状態)とともに朝靄の中に豪快(?)に打ち始める芝刈りも、経験した者しか味わえない爽快感を身体一杯に感じ、新鮮な心で執務に打ち込むことが出来ました。
 思い出としては、松島マラソン(ハーフ)を2度完走出来たこと。特に最初の時は、招待選手の中に、当時リクルート所属でその後有名になった選手がいたことです。成績は上位だったようです。なかなか小柄な可愛いい娘でした。驚いたのは、レース終了後グランドをゆっくり何周も無心で走っている様子は、これはいずれ一流のランナーになるなと直感しました。
 こう書いてきますと、小生は遊んでばかり居たのでは、と誤解を招くかもしれませんが、結果的に振り返ってみると自分自身も「そうかな」と納得する点が多々あります。
 幸か不幸か、創立40周年時に東北区水研に在籍していたことから、水研ニュース記念特集号(No.37)の発刊に携わることができたこと、懐かしくもあり、楽しみでもあったと痛感しニュースを再読しています(各部ごとの写真を見るにつけ感無量・・・)。
 陸上の試験場と違い大変だと感じたことに、調査船による海洋調査の作業中、高額機器(CTD等)が何らかの影響で海中で消滅し、見つけだせなかった時など、重要物品の亡失報告に亡失理由を記す訳ですが、常に見えている訳でなく、事細かな状況については、海中のことでもあり期待する事由を記せなかった覚えがあり、陸上の方が何倍も研究条件、環境が良く、このハンディはどうしようもないことを痛切に感じました。
 当時特筆すべき事項に、事務の簡素化、効率化等から、用度係(相澤係長)が中心となり考案した「予算、契約管理システム」の導入であります。当初は、数人が試行錯誤を繰り返しながら、ある時は朝まで作業をしていたことも数度と無く聞いていたが、何と粘り強く根性があるな、と周りで感心していた一人である。しかしチェック機能を持たしたこのシステムは、種々ある調査回答への対応がスムーズ、今現在リアルタイムの予算執行状況(残額等)の把握等業務遂行上に格段の進歩を見いだした点は、高く評価して良いと思います(携わった方々に感謝)。
 水研にいた時庶務課の皆様と良く議論もしましたが、その中で技術会議との違いを強く感じた事があります。それは業務の中での疑問、質問等に対して、本庁担当者があまり丁寧な対応をしないこと。忘れた頃に「どうですか」と訪ねないとなしのつぶてである(当時何度かあったが、現在はどうかわかりません。小生の偏見かも)。その点、技術会議は、必ず何らかの回答なり考え方、対処方法等を教示してくれます(上部機関として当然)。また、施設整備費関係では、海水取水設備改修(増殖棟)が予算化され、念願の水問題が解消されたことでしょう。稼働状況は如何ですか(菊地さんには予算要求時から大変お世話になりました)。
 このところ、エルニーニョ、ラニーニャ現象が気象や海況にいや地球環境問題にも大きな影響がと報じられますが、果たしてそうなのか、因果関係はと聞きたくなるのがマスコミ・・・国の研究機関としてはがゆいのではないでしょうか。
 しかし、失われた環境資源の修復には、永い年月と蓄積された多くの学識経験者の英知が必要で、東北区水研50年の功績は、これら諸問題解決の大きな指針となることでしょう。
(元 庶務課)

Takumi Kondo

一覧へ戻る

東北区水産研究所日本語ホームページへ