創立50周年を迎えて

クリックすると拡大します

乾 靖夫


 昭和24年に東北区水産研究所が創立されてから、今年でちょうど50年を迎えます。折しも、昨年10月に全国の水産研究所は国連海洋法に対応した「資源管理」と「つくり育てる漁業」を進めるための研究体制を整えるべく、大幅な組織の改正を行ったところです。
 東北水研が古い歴史を持つカツオ・マグロの研究は国際的視野に立った資源管理研究を行うために遠洋水研に集中し、これまで塩釜で行われていた東北海域におけるサンマを中心とする資源研究は、TAC制度に対応したサンマの研究体制を強化しつつ、八戸支所に移すことになりました。
 また、海区水産業研究部を新たに設立する事により、つくり育てる漁業を中心とするこの海域の沿岸産業研究を総合的に推進することに致しました。この転換期にあたり東北水研の50年の軌跡を明確にして、新たな出発の道しるべとしたいと考え本記念誌を発刊することとなりました。
 ここ東北海域は親潮、黒潮それに津軽海流が複雑に絡み合う混合域として、世界でも有数の生産力を持つ水域です。これまでも東北水研ではカツオ・マグロ類やサンマを中心として、生態研究を採り入れた独特の資源研究を展開してきました。また、混合域の特殊な海洋構造とその変動、三陸特有のリアス式海岸の海洋環境等を資源変動と漁海況予報との関連から研究し、この海域の水産海洋研究の方向付けをしてまいりました。さらに、ノリやワカメの生理・生態研究を始め、カキ、ホタテ、アワビ等の貝類、ギンザケ、ヒラメ等この地域の産業種の水産増殖に大きな貢献をしてきました。特にエゾアワビの種苗生産、放流技術の開発により現在の東北地域の種苗放流事業の基盤をつくる等、東北地域の水産業発展に大きく寄与して来たところです。
 東北水研ニュース37号の東北水研40周年記念特集号と本誌にはこれらの研究の変遷と先輩達の御苦労、研究の動機等が随所に記されており、同じく東北水研に働く者として、感動を覚えるとともに、これからの東北水研を担う一人として、身の引き締まる思いがします。
 本誌の編集を含め、50周年記念事業を行うにあたり、東北水研の先輩達に中心となって御尽力頂きました。心から感謝するとともに、この先輩達の思いをスタッフ一同とともに、衣替えした東北水研の研究エネルギーとさせて頂く所存です。
(所 長)

Yasuo Inui

目次へ戻る

東北区水産研究所日本語ホームページへ