ホームページ上での東北海区水温図の一般公開開始

海洋環境部(担当:伊藤進一)


 前号に「東北区水産研究所ホームページの紹介」の記事がありますが、そのホームページ上で、東北海区の水温図を提供するサービスを開始いたしましたので、ご紹介いたします。インターネットのホームページ上で水温図を提供するシステムは、1996年4月1日にサービスを開始していますが、当初は試験運用ということもあり、ごく一部の方にのみご利用できる設定してありました。今回は、関係協力諸機関の皆様のご理解を頂きましたので、1997年7月3日から全面公開を開始いたしました。この場をかりて、関係協力諸機関の方々にお礼を申し上げます。
[目的]
 海洋環境部では、水産関係者への迅速な情報の提供と、過去の水温情報のデータベースとして活用できる水温図ライブラリーの作成を目的として、ホームページ上での水温図の公開を企画しました。また、水産関係者のみならず、一般の方にも公開することにより、多くの方が海洋をより身近に感じて頂けるようになればと考えております。さらに、国際的な視点から考えますと、日本近海ほど海洋観測が充実している領域は他に例がなく、これも日本が海洋国そして水産国であるためと言えます。このような現状を考えるとインターネットを通じて、全世界にもその成果を公開することは、水産学、海洋学の発展、ひいては地球環境モニタリングのインフラにも繋がると考えられます。このような背景から、海洋環境部では、インターネットの専門知識がないのもかえりみず、ホームページ上での公開に踏み切りました。
[東北海区水温図]
 ホームページ上で公開している水温図は、水産試験場等各県の水産関係諸機関、気象庁、海上保安庁、海上自衛隊、各水産研究所をはじめとする関係協力機関の協力によって東北区水産研究所に送られてくる水温情報をもとに、コンピュータで描いています。水温図を描く方法については、清水・伊藤(1996)、伊藤・清水(1997)を参照してください。ホームページ上では、月毎の0m、50m、100m、200mの水温図及び簡易模式図を公開しております。
[ホームページ]
 ホームページのアドレスは
日本語版 http://ss.myg.affrc.go.jp/kaiyoubu/index-j.html
英語版  http://ss.myg.affrc.go.jp/kaiyoubu/index.html
です。どちらも海洋環境部のホームページとなっております。
 海洋環境部のホームページ上に「Off Tohoku Temperature Field」のコーナーがあります。そのコーナーの「東北海区水温図をご希望の方はここをクリックして下さい。」の「ここ」をクリックすると水温図の選択のメニュー画面になります。0m、50m、100m、200m、schematicの青いタグがありますので、希望の水温図の水深を選ぶと、年月の選択画面になります。希望の年月を選択すると図1のような水温図が表示されます。schematicを選択すると簡易模式図が表示されます。
 簡易模式図は、図2のように、青(100m水温5℃以下)、緑(100m水温5〜10℃)、黄(100m水温10℃以上)、赤(200m水温14℃以上)の4種の水温区分で表示してあります。青が親潮水、黄が黒潮系暖水、赤が黒潮水の水塊指標となっています。
[将来計画]
 現在、1997年の水温図は1〜6月まで公開されています。過去の水温図も、徐々に追加する予定です。また、現在300m、400mの水温図の公開も準備しております。将来的には、海況予報等もホームページ上で公開し、水産関係者のみならず一般の方々にも予報情報を提供できるようにしたいと考えております。このような情報が、水産業そして水産海洋学の発展に少しでも貢献できることを祈り、結びとさせて頂きます。皆様のご利用をお待ちしております。なお、ご意見,ご要望等は、www@myg.affrc.go.jpまでお願いいたします。
[参考文献]
 清水勇吾・伊藤進一(1996) 東北海区水温等値線図の新しい作成方法について−不規則分布点より等値線図を描く方法−.東北水研研報,58,103-117
 伊藤進一・清水勇吾(1997) 東北海区における水温データの分布状況と水温図作成法.東北水研研報,59,163-170
(海洋環境部 海洋動態研究室)

Shin-ichi Ito

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