若鷹丸の司厨部


小野一雄


 引き渡しから6月の披露式までの間、本船乗組員18名以外に、三井造船品質保証部、関係メーカーからの乗船者と、漁撈試験中には研究者も含め最大搭載人員29名近くの人たちの食事作りに奔走しました。6月の本調査が始まってからも常時22〜23名が乗船しています。
 司厨部はこの食事の用意以外に、乗組員以外の乗船者の居室の準備と整理、船内分担区域の清掃、食料品の仕込み等々調査には直接携わることはありませんが、後方支援組織として2名で頑張っております。
 若鷹丸の司厨環境は素晴らしいの一語に尽きます。
 少人数の乗船者の割に調理室が広く確保され、調理台やシンク等は円滑な調理作業の動きが人間工学的に考慮された配置になっており、働きやすい調理室になっております。調理室の通路を挟んだ向かい側に、乾物庫を兼ねた食料小出し庫があり、食品以外の物の収納にも十分な配慮が加えられております。
 食料の保管については、小出し庫の隣に糧食冷凍冷蔵庫が配置されております。今後本船が長期航海を実施する際に、大量の食料を積み込むことができるように、−25゜Cで保管可能の魚肉冷凍庫、5゜Cで保管可能の野菜冷蔵庫、そして庫内温度の急変を避けるためのロビーも−5゜Cまで冷やすことができます。
 このほかに、短期航海や停泊中に使用するための1,000Lの冷凍冷蔵庫が2台と、米麦保管用の1,000Lの冷蔵庫が1台設置されています。少人数のメリットといえます。
 調理室に隣接した食堂は、6人掛けの食卓が4個と、通路側にはL型ソファ及びテーブルが配置され、全員が集合することのできる場所として確保されております。この食堂にはカラオケセットも用意されて、乗組員の憩いの場になっております。

(若鷹丸 司厨長)

Kazuo Ono

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