若鷹丸の無線・通信

櫛引一弥


 若鷹丸の無線設備(写真)は、従来の通信設備に加え、GMDSS(Global Maritime Distress and Safety System:1999年2月1日から完全実施される「海上における遭難及び安全の世界的な制度」)に対応した最新設備を備えております。
 GMDSSの導入により、今まで人間(通信士)が行っていたモ−ルス通信や無線電話での手送り送信・聴覚受信に代わり、デジタル選択呼出(DSC:Digital Selective Call)、狭帯域直接印刷電信(NBDP:Narrow Band Direct Printing)等のエレクトロニクスの発展により開発された通信技術により遭難安全通信の自動化が図られております。
 一般通信設備として、沿岸船舶電話(電話・FAX)やインマルサットM衛星通信装置(デジタル方式の電話・FAX・デ−タ)を利用し、航海中も24時間常時連絡が可能です。(インマルMのデ−タ通信は現在まだ実施されていませんが、まもなく開始される予定です。)
 また、従来の通信方式である、無線電信・電話設備も設置しているが、連絡設定等特定の手順が必要であるため、利用は沿岸船舶電話・インマル装置の故障時等に限定されると思われます。
 なお、本船に本格的な「IBS」が採用されたこと伴い、統合管制室にて各部が同時に当直体制にあることから、本船の調査・観測中の見張りや調査機器の操作等が可能となり、これまで以上に直接的に、無線部が、少人数運航での安全航海並びに調査活動に寄与する事ができるようになっております。
 本船に設置装備されているGMDSS関連機器は次のとおりです。

  • VHF通信装置
  • 通信可能距離約25海里(50Km)
  • MH/HF通信装置
  • インマルサットC(衛星)通信装置
  • 安全情報受信装置
  • ナブテックス受信機(英文、和文)
    EGC(Enhanced Group Call、高機能グループ呼出受信機)受信機(インマルCに内蔵)
    無線電話聴守受信機(オートアラーム)
  • 救命設備
  • レ−ダトランスポンダ(SART)
    双方向VHF無線電話装置
  • 衛生EPIRB(非常用位置指示無線装置)
  • (若鷹丸 通信長)

    Kazuya Kushibiki

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