稲田伊史
深海2000mの世界にはどのような生物が生息しているのでしょうか?
潜水艇で断片的に観察されることはあっても、実際に大規模に採集された例は世界的に見ても初めてのことだと思われます。海洋水産資源開発センターでは沖合漁場等再開発基礎調査の一環として1993年7月に青森県太平洋側の水深1000m〜2000mの水域でトロール網により資源量調査を実施し、筆者らも便乗する機会を得た。報告書はまだ出版されていないが、深海2000mは暗黒のひっそりした世界ではなく、意外と多くの魚類で賑やかな世界のようです。
その例をこれらの写真で示しました。a)操業風景、b)深海魚の面々、1)ソコボウズ 2)ムネダラ 3)カラスダラ(チゴダラ科) 4)カラフトソコダラ(ソコダラ科) 5)ヒモダラ(ソコダラ科) 6)カナダダラ(チゴダラ科) 7)イバラヒゲ(ソコダラ科) 8)ベニズワイガニ(ズワイガニ科)、C)東北大学の某君が2000mで採集したソコボウズ(イタチウオ科)を抱き上げているところ、d)ムネダラ、e)1網で30s漁獲されたベニズワイガニ(但し、身はほとんどは入っていなかった)、f)2000mのトロール調査に挑んだ沖合底びき網漁船「第30丸定丸」(125トン)。
(八戸支所長)
Tadashi Inada
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