研究功績者


 この受賞は、渡邊良朗資源管理部浮魚資源第1研究室長の「耳石日輪解析によるサンマ生活史の研究」による研究功績者としての表彰であった。
 サンマでは従来正確に年齢を査定できる体組織が確認されておらず、年齢については定説がなかった。そのため日本とソ連の専門家会議で資源評価に関してくい違いが生じ、サンマ資源の評価や予測の制度についても問題点が指摘されていた。
 渡邊室長は、サンマの内耳にある耳石に1日1本ずつ日輪と呼ばれる同心円状の輪紋ができることを飼育によって確認し、日輪解析によってサンマの年齢を日単位の精度で査定する手法を確立した。この手法を用いて天然サンマの年齢を解析し、従来ソ連で2.5歳わが国で1.5歳とされていた成魚が、実際は満1歳であることを明らかにした。また、その研究過程で画像解析による耳石日輪解析システムを開発し、耳石の大量解析を可能にした。
 この研究結果によって、サンマ生活史の考え方が1年を周期とする枠組みへ大きく塗り替えられ、分布、回遊、成長など生態学的研究の発展に貢献しつつある。この新しい知見の下で耳石日輪情報が本格的に導入されることによって、資源の変動予測に関する研究も急速に進展し、本研究が他魚種資源管理の先駆的な例となるなど大きく貢献している。

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