黒田一紀


 気象庁神戸海洋気象台に13年弱、水産庁東海区水産研究所(現中央水産研究所)に14年在籍し、前者では海洋プランクトン、後者では魚類プランクトンの調査研究に従事して、黒潮の波涛の中で悪戦苦闘しているうちにいつの間にか四半世紀が過ぎてしまいました。
 このたび、4月1日付けで資源管理部漁場生産研究室長に転任してきましたが、イメージのわかない研究室名に困惑しています。しかし、英名の‘Plankton and Food chain’だと研究室の内味を表現していると考えます。水産研究所ではプランクトン部門が海洋研究系の中へ整合されていく中で、当室は海区水産研究所の資源研究系では唯一のプランクトン対象の研究室として永続しており、その特徴を生かした資源研究系における将来展望が描かれている。それは、魚類資源の餌生物としての動物プランクトンとその食物連鎖の基礎研究であり、そして浮魚類の資源変動の鍵を握っている産卵から加入までの当才魚時代の生残りに関わる先導研究でもあります。その他、沿岸域で重要な漁業生物、例えばオキアミ、イカナゴ、ホタルイカなどの漁業生物学的研究もあります。
 「少年老易、学成難」の心境ですが、研究室の宣伝もかねて皆様の御理解を期待しつつ、今後ともよろしくご鞭捲の程お願い申し上げます。
(資源管理部漁場生産研究室長)

Kazunori Kuroda

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