今田 了


 4月の声を聞いたのにまだ北海道の残雪深い山々が遠くなる、この北の大地に別れを告げ、挨舞う塩釜の町に赴任してきた。
 北海道さけ・ますふ化場に25年間勤務し人工ふ化事業の目覚ましい発展の歴史をみてきた。そして今、北洋サケ・マス漁が衰退し、我が国周辺水域の高度利用と管理型漁業が期待されているとき、この東北水研でどんな発展史を経験するのだろう。
 季節ボケと環境ボケが重なり仕事に不安を感じたときから私の仕事が始まった。雨の降った翌日のこと増殖研究棟で雨漏りがすると電話で呼び出され、原因を究明すべく屋上へ上がり早速清掃が始まった。堆積した泥をスコップで取り去り、ドレンの目詰まりを清掃、見ている間に雨水はなくなったが依然として雨漏りはその日一日続いていた。原因は建物の老朽化によるのもであるらしい。前任者が特別修繕のお膳立てをしてくれたそのお手伝いをしていきたいと思っている。
 とにかく、築20年を経過した建物が多く管理が大変となってきているが不都合が発生したときは声を掛けてください。用務員のおじさんとして駆け付けますのでよろしくお願いします。
 風光明媚な松島を眺めて感じたことは、海の汚れがひどいことである。あの松尾芭蕉が眺めたときの海の色を想像することは出来ないが「ああ松島や・・・」の句は嘆きの感嘆詞に聞こえてくる。
 まだ各研究室にお邪魔して研究者に声を掛ける時間がありませんが、暦の上では啓蟄がとっくにすぎたいま、庶務課のお邪魔虫が現れますのでその時は嫌わないで下さい。「一寸の虫にも五分の魂」何かの足しになるはずですし、なりたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
庶務課長補佐

Ryo Imada

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