第3回木村記念研究集会

シンポジウム「水産海洋」浮魚資源をめぐる中・長期漁海況

−特にマイワシ・サバ資源を中心として−



 第3回木村記念研究集会は水産海洋学会・木村記念事業会・日本水産学会東北支部の共催で平成2年12月7日(金)石巻市石巻リバーサイドホテルにおいて開催された。近年の漁業を取り巻く環境は一段と厳しさをましていく中にあって、時にマイワシの動向を始め、浮魚資源の動態については産・学・官ともに重大な関心を寄せている時でもあり、東北有数の漁業基地石巻市において標題のシンポジウムが開かれたことは時宜にかなうものであった。川崎健会長からこの研究集会が単に学術的研究発表会にとどまることなく、広く関係者の参加を要請していることから、マイワシ・サバ資源等に関して多面的に理解を深める場になることによって、21世紀への展望が得られることを期待している旨の挨拶があった。
 なお、シンポジウムは石巻市水産振興協議会・東北海域漁業情報事業振興協議会・(社)漁業情報サービスセンター・宮城県水産試験場・石巻市の協賛を得て下記のプログラムにしたがって進行された。
趣旨説明:コンビーナー
  黒田隆哉(漁業情報サービスセンター)
  杉本隆成(東大海洋研)
  小達 繁(日本水産資源保護協会)
  座長 福島信一(元東北水研)
講 演1.海洋環境の変動 友定 彰(東北水研)
  座長 佐藤祐二(日本水産資源保護協会)
2.サバ資源 飯塚景記(東北水研)
3.マイワシ資源
  和田時夫(北水研)
  座長 河井智康(東北水研)
4.地球的規模の環境変動と浮魚資源
  川崎 健(東北大学)
総合討論:研究・現場・行政の立場からの自由討議
  座長 大森迪夫 (東北大学)
  討論者 遠藤栄一(宮城県旋網漁業協同組合専務理事)
  高橋秀雄(漁業情報サービスセンター常務)
  千田広之(石巻冷凍協同組合副理事長)

 参加者130名で、会場からはマイワシの回遊経路、サバ資源の回復等について質問があり、意見交換も行われた。講演者は資源・海洋研究の第一線で活躍中の方々であり、最新の知見による適切な分かり易い説明がなされた。また、日本沿岸域から地球的規模に至る環境変動と浮魚資源の変動がどのように関わっているのか、まさにグローバルな視点からの研究の紹介と解説も有り、シンポジウムの趣旨が十分に活かされていたと思う。
 今回も木村先生の研究活動の良き理解者であり協力者であった喜代子夫人が出席され、懇親会では相変わらず美しくお元気にご挨拶されたお姿が印象的であった。
(企画連絡室長 鈴木智之)

Tomoyuki Suzuki

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