表紙写真の説明


 電子顕微鏡は今日では様々な研究分野で広く用いられており、生物研究においても不可欠なものになっている。写真は、昨年3月に購入された透過型電子顕微鏡(JEM-1200EX)で、50倍から100万倍までの広い倍率範囲で観察でき、0.14nmという高分解能を持つ。今後多くの研究を支える有力な武器となるものと期待されている。
 右上円内の写真は、珪藻の一種Cocconeis prseudomarginata GREGORYの蓋殻を本顕微鏡のカメラで撮影したものである。珪藻類は、2万種にものぼると言われ、藻類中最も種数の多い一群であり、属や種の同定は容易でない。現在主として用いられている分類形質は蓋殻の構造であり、微細な構造が決めてとなることも多い。特に水産動物の餌料として重要な種類には小型なものが多く、餌料珪藻の研究にも電子顕微鏡は一翼を担っている。
(魚介類増殖研究室 河村知彦)

表紙写真へ

目次へ戻る