ピンク色のカツオ出現

浅野 政宏



 昭和62年10月,11月の東北海域(37゜N,146゜E)で漁獲された中に2尾と,昭和63年5月に四国沖(31゜N,133゜E)で漁獲された中に1尾の合計3尾のピンク色のカツオの報告が漁船からあった。漁業情報サービスセンター気仙沼,三重県水産技術センター尾鷲分場の両機関を通して当水研に届けられたので紹介する。
 魚体は1.7〜2.0sのU歳魚で,特徴としては,全体又は一部分が鮮やかなピンク色をしていることで,特に釣り上げた時点では鮮明で,日数が経つに従って色がさめてくるようである。3尾のうち1尾については、カツオ独特のしま模様がなく,他の2尾はしま模様があり,普通のカツオと何ら変わりはなかった。
 このような現象は白子(albino)とも考えられ,魚ではニジマスなどに遺伝的要素として知られている。しかし目が黒く,ピンク色がさめてくることから突然変異の個体とも考えられる。
ピンク色のカツオ2尾の標本については,専門機関に依頼して調べることになっている。
(資源管理部浮魚資源第2研究室)

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