あとがき


 “魚の飼育実験”,“アワビの品種改良”“新鋭高性能調査艇の導入”等々水産資源や増養殖の研究にも実験的研究や最新先端技術の導入などが始まった。それに見合った研究組織の改編もなされようとしている。
 我々老兵が望んでもできなかったことが,今は比較的手易くできるようになってきた。これで細部の研究は深まるであろうが,一面では“木を見て森を見ない”傾向が生まれる心配がある。現に論議の中で,水産研究所を理学研究所と取り違えているのではないかと思われるような発言が増えている。水産技術者として育った小生には気がかりなところではあるが,人類の修正能力を信じて,バトンを次の人に渡そう。
(T・Y)

Tatsuo Yasui

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