転出にあたって

浮 永久



 履歴書の「趣味・免許」の欄に、“潜水士”などと書いたのが、当時アワビの仕事を発展させようとしていた増殖部の方々の目にとまって、どうやら私の人生の針路が決められてしまったようです。魚介類研究室に入れていただいて、夢のように17年が去ってしまいました。この間に、戦後のたたずまいを残していた塩釜の街は、すっかりモダンになりましたし、研究所の庭に並ぶ小型の中古車群も、デラックスな新車に変わりました。昭和ヒトケタ生まれの方々は、未だ三十代だったのです!
 松島湾を眺めながら、江ノ島の海に潜っての研究生活は大変楽しいものでした。これからは、五ヶ所湾を見下ろしながらの生活ですが、塩釜での蓄積はきっと役に立つことと思います。これまで終始、公私ともに援助下さった所員の皆様、本当に有難うございました。これからも変わらないご指導をお願いして転出のご挨拶とします。
養殖研究所繁殖生理部発生生理研究室長

Nagahisa Uki
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