気仙沼港は,宮城県北端に当る気仙沼湾の最奥部にある。三陸のリアス地形が作り出した天然の良港である。昭和44年,特定第三種漁港に指定された。昭和55年の入港漁船は廷3.2万隻で,まぐろ延縄,かつお一本釣,さんま棒受網を中心にまき綱や大目流網など,県外大型船の利用が多い。関係する漁船員は4,000人に達する。地元利用率は,漁船数では90%を占めるが,水揚量では28%,水揚金額では35%である。
魚市場は,昭和10年に開設され,昭和31年新魚市場に衣替えして現在地に移転,その後拡張をくり返している。昭和55年の水揚量は,約14万トン,29億円で主にマグロ,カジキ,カツオ,サンマ,サバ,イワシなど近海ものである。サンマの漁業と生物情報の収集拠点として,東北水研の分室がある。
豊富な原料供給を背景とした水産加工業も古くから盛んで,昭和55年実槙は,魚介類とノリ加工品が156億円,缶詰720億円のほか冷凍魚が8.2万トンであった。缶詰の約3分の1は海外に輸出された。
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