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 岩手県宮古港である。三陸リアス海岸の北端宮古湾閉伊川河口に位置する。昭和2年第二種重要漁港に指定されて以来、近代港湾としての整備が進められ、昭和39年には1万トン岸壁の完成を見た。昭和46年から藤原神林地区に商工業港を、鍬ケ崎日立浜地区に漁業港をそれぞれ集中整備する計画が新たに発足しており、岩手県はもとより東北地方としても一大流通拠点港湾として変貌を遂げつつある。
 昭和54年の入港船舶数は16,352隻(岩手県総数の18%)、246万総トンに達し、うち漁船が12,792隻(78%)28万総トン(11%)を占めた。一方海上貨物の流通は輸移入123万トン(うち水産物4.8万トン、3.85%)、輸移出109万トンであった。主として原木やりん鉱石が入り、砂利・砂・石材その他金属鉱物が出てゆく。
 主要な水揚げ魚類は55年実績で見るとサバ8千トン、サンマ7千トンスケトウダラ7千トン、サケ・マス6千トン、イワシ・イカ各3千トンなど合計4.4万トン、108億円であった。入港漁船は主に沖合底曳船、定置船、まき網船、さんま棒受網船などである。水揚げ量が豊富で入港船が多い割には荷受け側の漁港整備が遅れており、岸壁スペースも狭く、加工施設も不足だと言われている。そこで、宮古湾の一部を埋立て、現在工業用に使われている出先地区の一万トン岸壁を漁業専用にまわし、卸売市場を整備して水産と観光とを結びつける構想が軌道にのりつつある。
(倉田、写真:水産航空提供(49.11.5撮影))

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